医学部再受験・学士編入blog by シマ(東工大卒脱サラ医大生)

東工大卒脱サラ医大生が日々の勉強、生活に役立つtipsを書いています!医学部再受験と医学部学士編入関連記事も執筆しています。

オススメの試験勉強方法や勉強漬け生活の振り返り【再受験した医学部3年生の日記】

医学科3年生としての生活も4カ月以上経過したので、4月からの振り返りを簡単にしたいと思います。

3年生になると臨床医学を学ぶため、より実践的な内容を学びます。入学前にイメージしていた医学の勉強にかなり近づいてきました。とはいっても、2週間に一回試験があり、なかなかハードなスケジュールです。

一方で、臨床医学になったことで使える教材が増えたため、その点では少し楽になりました。私は暗記が苦手なのでmedu4の動画教材を併用して、なるべく内容を理解しながら勉強を進めるように意識しています。

同級生にも学士編入生や再受験生がいますが、暗記が得意な人もいれば苦手な人もいます。私も再受験生なのですが、周りを見ていると自分の暗記力の低さは年齢によるものではなく、自身の元々の特性であるように感じてきました。記憶が苦手な人間でもここまで進級していますので、これから医学部入学を目指す方も記憶力に関しては心配無用です!

最近、試験勉強に有用な動画をyoutubeで見つけたので共有しておきます。米国の内科医の先生がオススメする勉強法に関する動画です。

youtu.be

私自身も似たような方法でテスト勉強を進めていたことがあったので、この動画を見つけた時は少し嬉しくなりました。

勉強や仕事が忙しい方も、体調第一でお互い頑張っていきましょう!

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【医学部勉強シリーズ】腫瘍2【病理学:第4回実習】

みなさんこんにちは!今回は腫瘍2の実習についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!なお腫瘍の顕微鏡観察画像を添付していないため、一部わかりにくい表現があるかもしれません。ご了承ください。

<目次>

子宮平滑筋腫(良性腫瘍)

子宮筋層(平滑筋)から発生する良性腫瘍である。一般に腫瘍は多発性である。円形で白くて硬く渦巻き構造が見られる。紡錘形細胞が束をなして種々の方向に走行している。観察像はGISTと似ている。今回は平滑筋を染色している。染色方法によってGISTと子宮平滑筋腫を区別する。GISTと同じく非上皮性の腫瘍である。

子宮平滑筋肉腫(悪性腫瘍)

子宮筋層(平滑筋)から発生する悪性腫瘍である。平滑筋腫と比較して境界が明瞭ではなく、柔らかく、渦巻き構造は無い。出血や壊死があることが多い。凝固壊死していない腫瘍部分の組織では、核異型が見られる。つまり、核が肥大した細胞が観察できる。凝固壊死した細胞は出血部分の周辺で観察できる。凝固壊死した部分では組織の細胞が死んでいる。腫瘍の一部が壊死していると解釈できる。

耳下腺多型腺腫

上皮成分と非上皮成分が混合した特殊な腺腫である。上皮成分には腺管が見られる。腺管は丸く見える。また腺管とその周辺の腫瘍細胞は全て星状形細胞である。つまり菱形などの尖った形をしている。腫瘍細胞が腺管も形成していると解釈できる。白色の粘膜様部分とピンク色の軟骨様成分は非上皮成分である。なお、非上皮成分は、本当は上皮由来であるため、厳密には上皮成分のみということもできる。

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【医学部勉強シリーズ】腫瘍1【病理学:第3回実習】

みなさんこんにちは!今回は腫瘍1の実習についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!なお腫瘍の顕微鏡観察画像を添付していないため、一部わかりにくい表現があるかもしれません。ご了承ください。

<目次>

大腸管状腺腫

ポリープが確認されたため、その組織構造を観察する。上皮性の良性腫瘍である。 つまり腺腫である。正常な組織では、核が1列に並んでおり、細胞に極性がある。また粘液が存在して、杯細胞も観察できる。 良性の腫瘍の組織では、核が偽重層の構造をとっている。 細胞の極性がなくなりかけており、管腔側に核が寄っている。核が濃く染色されているが、悪性の癌に比べると色は濃くない。 良性の腫瘍部分をさらに細かく観察すると、管腔の形は整っており、管腔は独立している。クロマチンが凝集したような構造が見える。

大腸癌

上皮性の悪性腫瘍である。つまり腺癌である。 今回の試料ではS状結腸の一部を採取してきた。 まず肉眼観察することによって腫瘍部分と正常部分を見分けることができる。腫瘍部分は腺管の形がいびつになっている。腺管同士がくっついており癒合していると言える。 また血管内にがんが侵入していることがわかる。このことにより肝臓にがんが転移する。 また細胞が死んだ残骸が見えることもある。

小腸GIST

非上皮性腫瘍である。肉眼観察によって粘膜構造などを持つ正常組織と、腫瘍部分を区別することができる。腫瘍部分を拡大して観察すると紡錘形の細胞を観察することができる。 管腔構造を確認することはできない。

※GIST(Gastrointestinalstromaltumor): 消化管間質腫瘍

肝細胞癌

B型肝炎C型肝炎が進行し、肝硬変となり、さらに進行して肝細胞癌になる。現在では肝細胞癌になる人は減少してきている。 肝臓の肉眼観察により結節を確認できる。ウィルスで細胞が死滅し、死滅と再生を繰り返すことによって結節ができる。正常組織でも結節は確認できるが、腫瘍組織では肝細胞癌になった結節を確認することができる。 悪性腫瘍部分を観察すると、紫色で濃く染まっている。これは核が腫大していることが原因である。

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【医学部勉強シリーズ】発生遺伝学と先天異常【遺伝学:第14章】

みなさんこんにちは!本日から遺伝学について複数の記事にまとめていきます!今回は発生遺伝学と先天異常についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!

本文中に画像を挿入していないため、一部理解しにくい部分があるかもしれません。ご了承ください。

<目次>

異常形態学、先天性異常、人の胚発生(教科書を中心として)

医学における発生生物学

先天奇形は3つのカテゴリーに分類できる。奇形は発生に関わる遺伝的プログラムの1つ以上に内的な異常があることで生じるものである。変形は奇形とは異なり、発生過程の胎児に物理的に作用する外的要因による異常が原因である。また発生中に外的要因で正常組織が不可逆的に失われると破壊と呼ばれる先天奇形となる。

  • 奇形:遺伝的プログラムの異常
  • 変形:胎児に物理的に作用する外的要因による異常
  • 破壊:外的要因による不可逆的な組織の破壊

遺伝子変異などの単一な原因によって、子宮内発生の異なる時期に形成される複数の構造に異常が生じる場合や、胚の異なる部位の複数の器官系に異常が引き起こされる場合、このような現象を多面発現と呼ぶ。またある原因が同時に並行して複数の異常を引き起こす場合、その複数の異常をまとめて症候群と呼ぶ。しかしある原因が、ある時期のある1つの関係のみに障害を与え、その異常が二次的に様々な危険を引き起こす場合、シークエンスと呼ぶ。

発生生物学用語、モデル動物の発生

発生運命、特定化、運命決定(レジュメにない内容)

発生過程において、未分化な細胞は一連の個別の分化段階で様々な機能や特性を示すようになり、発生運命と呼ばれる最終分化に至る。分化段階の初期では、細胞は特定の性質を獲得して特定化されるが、この段階では細胞外のシグナルなどによって発生運命が変化する可能性がある。このシグナルとしては、細胞膜に局在する物質や可溶性物質によるシグナルを細胞表面で受け取ることによってもたらされる。このような可溶性物質のうち、その濃度勾配によって位置情報がもたらされるものをモルフォゲンと呼ぶ。最終的な細胞は、不可逆的な特性を獲得する。これを運命決定と呼ぶ。

HOX遺伝子の機能と構成(ショウジョウバエの体節から発見された)

初期発生では、以下の3つの軸を確立して、体の多数の部分や期間の相対的位置を決定する。

1つ目は頭部から尾部にかけての軸で、前後軸と呼ばれる。HOX遺伝子群は、ホメオボックスと呼ばれるDNA結合モチーフを持つ転写因子であるが、前後軸に沿って発生する構造の決定に大きな役割を担っている。

2つ目は背腹軸である。 ソニックヘッジホッグ(Shh)は発生中の神経管底板と脊索により分泌され、脊髄に沿った背腹軸の形成に関与している。

3つ目は左右軸である、正常な心臓の発生と内臓の正常な位置決定に関与する。人の発生を調節する基本的な細胞機構と分子機構は、正常メカニズムの障害により生じる先天異常や疾患により解明されつつある。ソニックヘッジホッグ遺伝子の機能喪失型変異で、先天的な形態上である前全脳胞症を呈することで示された。

左右軸に関与するZIC遺伝子の変異は、心奇形と内臓逆位を引き起こす。

多指症・合指症の原因遺伝子のHOXD13およびHOXDファミリー遺伝子群の発生過程の肢芽における発現部位の模式図について考える。HOXD 13の機能欠損変異によってこの疾患が発症する場合の、その分子レベルでの発症気候について整理する。

HOXD13の機能欠損によって、HOXD9からD13のすべての発現が重なる部位が消失してしまう。つまり、図における1番濃い青色の領域が消失することによって、肢芽の前後軸(第1指から第5指にかけて)の3層の発現の重なりが2層になってしまう。このことによって肢芽の前後軸の極性が乱れ、それぞれの指の同一性が失われるため、パタン形成が異常になったと考えられる。

HOXD13遺伝子変異

パターン1:第3中手骨が分岐し、第3指に過剰指が生じている。またこの過剰指と第4指が癒着し合指症となっている。 つまり多指症・合指症と言える。

パターン2:第3、4、5指の合指症と単一関節が見られる。つまり合指症と言える。

パターン3: 第2中足骨は縮小している。第3、4、5中足骨は融合している。 つまり合指症と言える。

モデル動物からヒト疾患へ(hedgehog遺伝子の発現とその発展を例として)

実験動物で得られた結果をヒト疾患へと応用すると言う基本的な考え方を押さえておくことが重要である。

様々な生物種におけるhedgehog遺伝子の変異体

ソニックヘッジホッグ(Shh)は脊椎動物におけるモルフォゲンとしてよく知られている。発生過程で脊索から放出されるShh蛋白は、腹側神経管の底板を誘導する。ヒトで変異によってShh蛋白が部分的に不活性化した場合、前全脳胞性が生じる。前脳と顔面中央部の発生が障害されるため、口唇口蓋裂や眼間狭小、前脳構造の欠損が引き起こされる。

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【医学部勉強シリーズ】細胞障害の病理【病理学:第1回実習】

みなさんこんにちは!今回は細胞障害の病理の実習についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!

<目次>

脂肪肝(変性)

脂肪変性は肝細胞内に脂肪が蓄積する状態であり、可逆的な変化である。種々の原因で起こり得るが、多くはアルコール摂取及び栄養過多によるものである。肝細胞には中心静脈周辺と、門脈域(3つ組)の領域がある。脂肪変性はこの2つの領域どちらでも起こる可能性があるが、今回は中心性の脂肪変性を観察する。つまり中心静脈の周辺に脂肪が観察される。さらに細かく観察すると、肝細胞内に脂肪が溜まっていることがわかる。

腸上皮化生

腸上皮化生では、胃の細胞が腸の上皮細胞に入れ替わっている。腸上皮化生は完全形と不完全型に分類される。完全型は杯細胞(ゴブレット細胞)とパネート細胞が見られる。不完全型は 杯細胞(ゴブレット細胞)のみが存在し、パネート細胞が欠けている。杯細胞(ゴブレット細胞)については、細胞内に粘液を持つ。パネート細胞は杯細胞(ゴブレット細胞)よりも深い位置に存在し、赤く着色している。

脾梗塞(凝固壊死)

凝固壊死とは、蛋白質変性が主体となる細胞壊死である。凝固した細胞や組織の形を長期間保存する。肉眼観察によっても組織が梗塞により凝固壊死しているかどうかがわかる。凝固壊死している部分は色が薄くなっている。凝固壊死する原因は脳梗塞により血流が失われることである。凝固壊死した部分をさらに細かく観察すると、細胞が死んでおり、核が観察できない。一方で、凝固壊死していない部分は核が存在し細胞が生きている。

扁桃体肥大(アポトーシス)

胚中心の部分は色が薄くなっている。胚中心の中のある部分でマクロファージが貪食した後の様子が観察できる。つまりアポトーシスで死んだ細胞をマクロファージが処理した形跡を観察することができる。さらに細かく観察するとマクロファージの内部にアポトーティックボディーが観察できる。アポロティックボディーとはアポトーシスで死んだ細胞がマクロファージ内で処理されているものである。

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【医学部勉強シリーズ】循環障害【病理学:第1回実習】

みなさんこんにちは!本日から病理学の実習について複数の記事にまとめていきます!今回は循環障害の実習についてまとめました。今までは講義のまとめ記事ばかりであったため、この記事で医学部の実習の雰囲気を感じていただければ幸いです!

なお病理画像を添付していないためわかりにくい部分があるかもしれません。ご了承ください。

<目次>

肝うっ血(うっ血)

心不全により大静脈系のうっ滞が起こり、肝臓がうっ血する。右心の手前に大静脈が、さらに手前に肝臓があることが原因となっている。

門脈域に、冠内胆管や冠動脈など3つ組が存在する。 門脈域から中心静脈に向かって血液が流れる。 中心静脈から、さらに心臓に向かって血液が流れていく。肝臓にうっ血が起こっているため、中心静脈の周りに血が溜まっていることが確認できる。

肺動脈血栓塞栓症(血栓)

他の静脈内でできた血栓が塞栓となり、血液を流れて肺の大小の動脈に詰まることが原因である。エコノミークラス症候群などが1つの例である。

肺の血管内に血の塊が存在し、血栓となり詰まっていることを確認する。

急性心筋梗塞、陳旧性心筋梗塞(心筋梗塞)

心筋梗塞は、冠状動脈の閉塞や狭窄によりその血流領域の心筋が壊死に陥った状態である。急性心筋梗塞は冠動脈血栓症に起因することが最も多い。

心筋梗塞後、数日から数週間の間に発生する急性心筋梗塞と、数カ月後に発生する陳旧性心筋梗塞が存在する。急性心筋梗塞の場合は肉芽組織の形成が認められる。陳旧性心筋梗塞の場合は線維化を広範囲で確認できる。

急性心筋梗塞の場合は、肉芽組織を注意深く観察する。梗塞を起こしており心筋細胞が死んでいる。好中球、組織球、リンパ球、探求などの炎症細胞が集まっている。また毛細血管が肉芽腫内に侵入してきている。

陳旧性心筋梗塞の場合は、心筋細胞に比べて色が薄くピンク色に着色している部分が、梗塞により心筋細胞が死んでいる部分である。ピンク色が塗り広げられたような部分のことである。

脳出血、動脈静脈奇形(脳の出血)

脳室部分で出血していることを確認する。

動脈と静脈がつながっており、血管が奇形となっていることを確認する。 つまり動静脈奇形となっており、シャントが形成されていることを確認する。動脈の血圧が高いため、その結果出血してしまう。血管の周りに赤血球が漏れ出て、出血していることを確認する。

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【医学部勉強シリーズ】自律神経作用薬【薬理学:各論第2回】

みなさんこんにちは!今回は自律神経作用薬についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!

<目次>

序論

交感神経と副交感神経の節前線維、節後線維、神経伝達物質とその受容体について今一度復習しておく必要がある。

骨格筋にはニコチン受容体は存在するが、ムスカリン受容体は存在しない。

生化学

コリンエステラーゼとはアセチルコリンを分解する酵素である。つまりコリンエステラーゼ阻害薬によってアセチルコリンが溜まり副交感神経の働きが強まる。

ノルエピネフリンエピネフリンドパミン

アドレナリン受容体

アドレナリン受容体と薬理作用についてまとめる。 α1受容体は主に収縮型として働く。α2受容体は主に抑制性である、つまり交感神経の抑制方向に働く。β1受容体は心臓に、β2受容体は気管支に働く。β受容体は主に興奮性に働く。

α1アゴニスト

α1は主に収縮系の働きをする。つまり血圧を上昇させる方向に働く。

アナフィラキシーショックの際には血圧管理と気管支拡張の目的でβ2作用を有するエピネフリンが使われる。

α1アンタゴニスト

プラゾシンはα1アンタゴニストのうちの1つである。起立性低血圧を起こすことがあるので投与は低用量から始めるべきである。 この薬は降圧薬でもある。

βアゴニスト

β1アゴニストであるドブタミンは心機能改善に使われ、急性心不全の患者に投与されることが多い。 復習であるがβ1受容体は心臓、β2受容体は気管支などに存在する。

βアンタゴニスト

βアンタゴニストの語尾はノロール(olol)であり脈がのろーくなる(ノロール)と覚えると良い。

プロプラノロールはβ1とβ2受容体をどちらも競合的に阻害するβアンタゴニストである。

βアンタゴニストのうちの1つであるチモロールは緑内障患者で眼圧を下げる目的で点眼薬として使われる。

アセチルコリン

ムスカリンアンタゴニスト

ムスカリンアンタゴニストにはアトロピンやスコポラミンがある。 ムスカリンアンタゴニストの副作用の1つとして緑内障の悪化が挙げられる。緑内障では眼圧が上昇している。交感神経作用が強くなると眼圧がさらに上昇してしまって良くない。

アトロピンの副作用の1つとして尿閉が挙げられる。つまり前立腺肥大による排尿障害の治療薬として用いてはならない。この理由としては、アトロピンはムスカリンアンタゴニストであり、副交感神経の働きを弱めて、交感神経を活性化傾向にする。するとますます排尿しにくくなる傾向にある。

アトロピンは臨床的には、迷走神経活性が強く徐脈になった時に心拍数を増加させる目的で使用される。この機序を考えると、副交感神経節後線維のムスカリン受容体をブロックして働かなくすることによって、交感神経作用を上げて頻脈傾向にする。

またムスカリン受容体は副交感神経の節後線維だけでなく、例外的に 交感神経管轄であるエクリン汗腺の節後線維にも存在することに注意する。つまりムスカリンアンタゴニストであるアトロピンは副作用としてエクリン汗腺からの発汗を減少させる作用がある。

サリンアセチルコリンエステラーゼを阻害してしまう毒ガスである。つまりアセチルコリンが溜まることによって副交感神経作用が増大し縮瞳などの症状が現れる。この症状を改善するためにアトロピンなどのムスカリンアンタゴニストが用いられる。アトロピンによって副交感神経作用が減少し、交感神経作用が相対的に高まる。

ニコチンアンタゴニスト(神経節遮断薬)

ニコチン受容体は交感神経と副交感神経どちらにも存在する。つまり交感神経も副交感神経もどちらも遮断することになる。臓器への影響としては優位支配の神経が遮断された時と同じ効果が現れる。細動脈は交感神経が優位であり、神経節遮断薬、つまりニコチンアンタゴニストを投与すると細動脈が拡張する方向に働くことに注意する。

基本的なことではあるが、神経節とは節前神経と節後神経の間のことである。つまり神経節遮断薬はニコチン受容体の遮断により臨床効果を発揮する。

神経節遮断薬のうちの1つとしてヘキサメトニウムが挙げられる。

コリンエステラーゼ阻害薬

可逆的コリンエステラーゼ阻害薬であるネオスチグミンは、神経筋接合部のアセチルコリンの分解を遅延させ骨格筋収縮作用を促す。

筋弛緩薬

競合的筋弛緩薬であるツボクラリン(tubocurarine)を投与すると、投与後すぐに筋弛緩が現れる。 同じく競合的筋弛緩薬であるパンクロニウム(pancronium)についてはヒスタミンの遊離作用は無い。脱分極性筋弛緩薬であるサクシニルコリン(succinylcholine)を投与すると一時的な筋収縮の後に弛緩が見られる。

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