【医学部勉強シリーズ】薬理学の原理【薬理学:総論第1回】
みなさんこんにちは!今回は薬理学の原理についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!
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<目次>
- 生体利用率(bioavailability)
- 生体内変化と排泄(biotransformation, elimination and excretion)
- 薬物の分布、分布容積、タンパク結合(Drug Distribution, Volume of Distribution and Protein Binding)
生体利用率(bioavailability)
生体利用率Fは以下の式で表される。 F(%)={AUC(route)/AUC(iv)}×100 ただし
- AUC(total area under plasma drug concentration-time curve):到達時間と血中濃度の関係の曲線の面積のことである。
- route:薬の投与経路のことであり様々なパターンがある。
- iv:静注、静脈注射のことである。
F≒投与した薬物の血中への移行量/全投与量、と考えられる。つまり生体利用率とは、静注時のAUCを100%とした時に、その他の経路で同じ量の薬を投与した際にAUCが何%になるかということである。Fが大きいほど吸収が良いと言える。
生体利用率(F)は肝臓での初回通過効果などの多くの因子の影響を受ける。初回通過効果(first pass effect)とは経口および経直腸の上部から吸収した薬物が肝臓を通過して代謝され体循環に入ることである。
投与経路
非経口投与には静注(iv)や筋注(im)などがある。非経口投与は全般的に効果発現が比較的早く、正確に投与量が決定でき、消化管をバイパスする。一方で毒性が強く出る可能性があり、無菌の薬剤が必要であり、コストがかさむことが多い。
経口投与は最も一般的な投与経路である。タンパク質は分解されてしまう。腸管と肝臓の代謝(初回通過効果:first pass effect)を受ける。肝臓での初回通過効果を最も受ける投与方法である。
舌下投与は上大静脈に入るため肝臓をバイパスする。直腸投与は下大静脈に入るため肝臓をバイパスする。特殊な投与経路である局所投与も肝臓をバイパスする。
薬の物理化学的性状:生体利用率との関係
薬の生体膜通過方法は以下である。
受動的透過:エネルギーは不要で能動勾配に従って透過する。
- 濾過:糸球体濾過など、浸透圧勾配によって起こる。
- 促進的拡散:膜内のタンパク質と結合するが、例は少ない。
- 単純拡散(passive diffusion):脂溶性薬物の膜透過で重要である。
能動的輸送:薬の透過係数は薬の分子量と脂溶性に依存する。薬の大きさについては100〜1000程度の低分子である必要がある。大きいと膜や細胞間隙を通過できない。
水/油分配係数とは薬の相対的な脂溶性を表す指標である。
薬の荷電について整理する。生体膜は脂質二重層であり脂溶性のものほど透過しやすい。薬物の構造の中でイオン化している部分は非脂溶性で膜を透過しにくい。
弱酸や弱塩基の薬がpHによりどのように解離するか確認する。弱酸の薬ではHA(脂溶性状態の薬)⇄H++A-、という平衡になる。尿を塩基性にすることで、恒常性維持のためにH+産生方向に傾き、結果として薬を尿中に排泄することができる。弱塩基の薬ではBH+⇄B(脂溶性状態の薬)+H+、という平衡になる。尿を酸性にすることで、恒常性維持のためにH+消費方向に傾き、結果として薬を尿中に排泄することができる。酸性の薬の平衡の方がイメージしやすいため、塩基性は酸性の反応の逆と覚えておくと整理しやすい。また、弱塩基性の薬は尿環境を酸性にすると薬を排泄できるというように、薬と尿pHが中和の関係になった時に薬を尿中排泄できる。x
薬の溶解性について、剤形を工夫することによって酸性の薬剤でも、胃の酸性環境においてHAの形状を取りやすくして、脂溶性となり胃から吸収されやすくなる。
薬の化学的安定性について、胃酸存在下でも安定で胃酸から保護される必要がある。
剤形 Drug Formulation(薬剤学 Pharmaceutics):薬の吸収/生体利用率との関係
胃酸から薬を保護する方法の一つが腸溶コーティング(enteric coating)である。また、排泄速度が早い薬の頻回投与を回避する目的で放出制御剤(controlled release)が用いられている。
このように剤形が生体利用率に与える影響は重要であり、同一薬物を同一量含有し(薬剤学的同等性)、同一の効果・効能・用法・用量によって臨床で使用される医薬品どうしは生体内において臨床上の同等性(生物学的同等性)が保証されなければならない。つまり生体利用率や減少速度が一致しなければならない。
代謝が生体利用率に与える影響
代謝に関連する臓器としては肝臓(最も重要)、腸管粘膜、肺、腎臓がある。特に経口投与される薬は、薬効が現れる循環コンパートメントに入る前に“一部は粘膜局所で代謝されるものの、腸管粘膜から吸収され、門脈を経由し、大部分が肝臓で代謝される”という運命をたどる。これを初回通過効果(first pass effect)という。
ある種の薬は不活性な形で投与され、代謝されてはじめて活性型(bioactivation)される。このような薬をプロドラッグ(prodrug)という。
投与部位と作用部位
中枢神経は血液脳関門(blood brain barrier:BBB)を有するため特殊な標的組織(bio phase)である。
薬力学的パラメータ(pharmacodynamic parameters)
薬効の強い薬(potent)は低濃度でも効果を表す。効力の強い薬は溶液にしやすく投与しやすい。
患者側の因子
薬の代謝や排泄に関する個人差は重要である。
生体内変化と排泄(biotransformation, elimination and excretion)
薬の代謝(不活化)と排泄・除去に関連する概念を学ぶ。
薬物代謝
薬は肝臓や腸管で代謝されて普通は薬理活性が減少する。一方で代謝物が高い活性を示すことがある。この場合、代謝反応は代謝的活性化(metabolic activation)と呼ばれ、代謝物か活性代謝物(active metabolite)と呼ばれる。以下の2つのパターンで代謝物が高い活性を示す。prodrugの代謝物は活性代謝物になる。なお、第一相、第二相の代謝で必ずしも代謝的活性化が起こるとは限らない。
第一相(phaseⅠ):分解(degradative) 主に小胞体で行われる。酸化反応、還元反応、加水分解などがある。
第二相(phaseⅡ):合成/抱合(synthetic/conjugative) 主にサイトゾルで行われる。エネルギーが必要となる。グロクロン酸抱合、硫酸抱合、アセチル/メチル抱合、アミノ酸抱合(グルタチオン抱合・グリシン抱合)などがある。
P450酸化系酵素:チトクロームP450(cytochrome P450:CYP)は脂溶性薬物や異物のphaseⅠ代謝のうちの大部分の酸化的代謝を担う。
チトクロームP450に関する次の4つの事項は臨床的に重要である。
- 誘導(induction):ある種の薬や異物はいくつかのCYPの合成を誘導する。つまり該当するCYPで代謝される薬の代謝が亢進する。
- 活性阻害(inhibition):ある種の物質や薬でチトクロームP450によるphaseⅠ代謝が阻害されるため、代謝されるべき薬の代謝前化合物(親代謝物)の濃度が上昇する。
- 遺伝的多型(genetic polymorphisms):薬の生体内変化の個人差の要因である。
- 肝機能障害(liver dysfunction):肝機能障害によりチトクロームP450によるphaseⅠ代謝は減弱する。
なお誘導と活性阻害は薬物相互作用の原因となっている。薬物相互作用は臨床上重要である。
CYPを誘導する薬物と活性阻害する薬物が存在する。例えば抗てんかん薬であるフェニトイン(phenytoin)はCYPを誘導する薬物であり、併用薬物の血中濃度は低下する。
以下では代謝のうち臨床的に重要なグロクロン酸抱合とグルタチオン抱合について整理する。
グルクロン酸抱合:他のphaseⅡの代謝反応と同様に、極性の高い水溶性原子団をつけることにより尿もしくは胆汁中に薬物を排泄しやすくする。
グルタチオン抱合:グルタチオンのチオール基(SH)が正に帯電した求電子的な代謝中間物の解毒に関与する。
腸肝循環/肝排泄(Enterohepatic Circulation/Hepatic Excretion)
肝臓でグロクロン酸抱合体として胆汁中に排泄された薬は、大腸粘膜あるいは腸内細菌のβ-グルクロニダーゼによって加水分解されて再吸収された後に腸肝循環する。インドメタシン、ジギトキシン、ジゴキシン、モルヒネなどがこの作用を受ける。これにより薬の作用が延長することがある。腸管循環は薬の作用時間を伸ばすというメリットだけではなく中毒を引き起こす要因にもなる。
腎排泄(Renal Excretion)
一部の薬は代謝されずにそのまま腎臓から排出されるが、ほとんどの薬は肝臓で水溶性代謝物になってから尿中に排泄される。
薬の尿中排泄には糸球体濾過、尿細管分泌、尿細管再吸収の3つによって決まる。
糸球体濾過(glomerular filtration):糸球体での濾過は細孔を通過する限外濾過であり、濾過率は分子サイズと荷電状態に影響される。血漿タンパク質と結合した状態ではサイズが大きすぎるため濾過されない。
尿細管分泌(Tubular secretion):血液中から尿細管上皮細胞内への取り込み(基底膜輸送)と、細胞内から尿細管腔への分泌(刷子縁膜輸送)という2段階の膜輸送によって制御されている。尿細管分泌は能動輸送でありタンパク質との結合に依存しない。
尿細管再吸収(Tubular reabsorption):濃度勾配に従った受動拡散であり、脂溶性でないと再吸収が進まない。解離型、つまりイオン型のものは再吸収されにくいため薬の吸収と同じように薬のpKaと尿のpHによって解離度が変化し再吸収量が変化する。弱酸性の薬であれば、尿をアルカリ化することで薬の排泄が増加する。弱塩基性の薬であれば、尿を酸性化することで薬の排泄が増加する。
肺での代謝(Pulmonary Metabolism)
呼気に薬物を拡散する。ガス麻酔薬やアルコールなど揮発性で、かつ脂溶性がある薬物を拡散する。
胎盤移行(Placental Transfer)
母体血中の薬物は胎盤、すなわち絨毛膜を経て胎児に移行する。妊娠の進行と共に絨毛膜は薄くなり母体血中の薬物が胎児に移行しやすくなる。脂溶性の状態である薬物が移行するが、イオン化していても分子サイズが小さければ膜透過をする。
乳汁移行(Breast Milk)
脂溶性状態の薬物は乳汁中に移行する。母体血中のpHでイオン化しない薬物はイオン化薬物よりも容易に乳腺小胞細胞膜を通過する。乳汁は弱酸性であり、弱塩基性の薬物は平衡の移動、つまりBH+の状態に傾くことによりイオン化側に傾き乳汁中に留まることになる。
薬物の分布、分布容積、タンパク結合(Drug Distribution, Volume of Distribution and Protein Binding)
投与された薬は血中に入り、各組織に移行する。投与された薬が全て血中に分布したとすると、「初期濃度(C0)=投与量(Dose)/分布容積(Vd)」、の関係が成り立つ。分布容積(Volume)は、薬が全て血中に分布したと仮定した時の血漿体積のことである。
分布容積(Vd)は全体液量を超えることがある。例えば脂溶性の高い薬物は脂肪組織中に強く結合して蓄積して分布容積(つまり血漿中に薬が全て溶けたと仮定した場合の血漿体積)を増大させる。
薬物の血漿タンパク質との結合は薬の組織分布に重要である。薬が結合する血漿タンパクは主にアルブミンとα1酸性糖タンパク質である。アルブミンは全ての薬と結合するが、特に酸性薬物と良く結合する。α1酸性糖タンパク質は塩基性薬物と良く結合する。
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【医学部勉強シリーズ】イントロダクション【薬理学】
みなさんこんにちは!本日は薬理学講義のイントロダクションについてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければと思います!
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<目次>
医学研究における動物実験の意義
動物実験に関する理念について、以下の1〜3が3Rであり、1〜5は5Rである。なお、Reproductivityはこれらに含まれていない。
- Replacement(代替法の利用)
- Reduction(使用動物数の削減)
- Refinement(苦痛の軽減)
- Responsibility(実験結果の公開)
- Review(厳格な審査)
なお、実習で動物実験を行う際に地位部の実習をビデオ視聴やsimulation softwareで実施することはReplacement(代替法の利用)に該当する。
序論
薬理学とは薬物と整体の相互作用を研究する学問である。薬力学と薬物動態学を理解することが薬を正しく使用する上で重要である。薬力学とは薬が生体にどう影響するかを研究する学問である。薬物動態学とは生体が薬にどう影響するかを研究する学問であり、ADME(Absorption:吸収、Distribution:分布、Metabolism:代謝、Excretion:排泄)を扱い、薬の血中濃度の時間的推移を解析する。薬の有効濃度を実現できるかを知ることが目的である。
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【医学部勉強シリーズ】吸虫感染症【寄生虫学:各論第7回】
みなさんこんにちは!今回の記事も医学部での講義のまとめシリーズです。寄生虫学の中の吸虫について、各論的なトピックをまとめました!医学部での授業内容の雰囲気が伝われば幸いです!
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吸虫とは扁形動物門、吸虫綱に属する。葉状や舌状である。住血吸虫のみ細長い。口吸盤と腹吸盤が存在し、腸管は二分岐する。基本的に雌雄同体であるが、住血吸虫のみ雌雄異体である。
<目次>
1)日本住血吸虫症
病原体は日本住血吸虫(blood fluke)である。
歴史
広島県神辺町片山の付近で発見されたことから片山病と呼ばれている。
形態・生活史
セルカリアの経皮感染によって感染する。成虫は雌雄異体でペアになっており、門脈から腸管膜静脈に寄生し3〜6年生存する。中間宿主はミヤイリガイである。日本人の宮入氏が発見したことからミヤイリガイと命名されている。
症状
腸管膜静脈などの血管に虫卵が詰まってしまい、炎症を起こし組織が崩れる。また肝臓に虫卵がトラップされる。これらが原因で各症状が引き起こされる。
急性期では発熱、下痢、粘血便が生じる。また肝に虫卵結節が生じる。
慢性期では虫卵結節の線維化が起こり、肝硬変・門脈圧亢進、脾腫、腹水貯留が起きる。また虫卵が血流に乗って脳に到達し、脳症状である異所塞栓が起こる。
診断
検便や直腸生検によって虫卵検出を行う。感染している場合は抗体ができていることから免疫診断を行う。また肝エコーやCTを行う。白い亀甲状もしくは魚鱗状の線が肝臓のエコーもしくはCTに見えることが特徴である。血管に虫卵が詰まることによってこのような像が見える。
治療
プラジカンテルの経口投与を行う。プラジカンテルは細胞膜のCa透過性を上昇させ、寄生虫を麻痺させることで作用を発揮する。
2)マンソン住血吸虫症
中間宿主はヒラマキガイ科であり、貝という点で日本住血吸虫と似ている。成虫の寄生部位と症状は基本的には日本住血吸虫と類似だが、脳症状が少ないという点で相違がある。脳症状が少ない理由は、虫卵のサイズが大きく側方に大きな棘があることで虫卵が脳まで到達しないことである。
3)ビルハルツ住血吸虫症
成虫の寄生部位については、膀胱周囲静脈寄生であり日本住血吸虫やマンソン住血吸虫とは異なる。症状は血尿と排尿障害である。虫卵は一端に棘を持っており、虫卵の形状も日本住血吸虫やマンソン住血吸虫とは異なる。
4)セルカリア性皮膚炎
鳥類の住血吸虫のセルカリアによる皮膚炎である。痒みを伴う点状の丘疹が現れる。
5)ウェステルマン肺吸血症
病原体はウェステルマン肺吸虫(lung fluke)である。
生活史
メタセルカリアの経口摂取でヒトなどに感染する。小腸で脱嚢し、腸壁を貫通して、腹腔、胸腔を経て肺実質に到達する。成虫はコーヒー豆を2つ組み合わせたような形状である。雌雄同体であるが、2匹がペアで存在することが多い。第二中間宿主はモズクガニやサワガニである。虫卵について、フタの構造の反対側は殻が分厚くなっている。
病理・症状
咳やチョコレート色の血痰が現れる。
診断
喀痰(かくたん)※や便からの虫卵検出を行う。また問診によって生食歴を確認する。
※痰が出ること。
治療
プラジカンテルの経口投与を行う。
6)宮崎肺吸血症
ヒトは好適宿主ではなく、イタチやタヌキが主な終宿主である。胸腔内を移動し胸水貯留や気胸、好酸球増多を引き起こす。レントゲン写真からも胸水貯留を確認することができる。便に虫卵は存在せず、血清抗体の検出で診断を行う。
7)肝吸虫症
病原体は肝吸虫(liver fluke)である。
生活史
コイ、モヅコ、フナの生食によって感染する。メタセルカリアを摂取することで感染する。肝内胆管寄生をする。
病理・症状
少数寄生では軽傷であるが、多数寄生で肝腫大となる。画像から胆管が太くなっていることが確認できる。日本では患者は減少傾向で、韓国、中国でみられる。
診断
便や胆汁から虫卵検出を行う。虫卵はフタの構造の付近に2箇所の突起が見えることが特徴である。
治療
プラジカンテルの経口投与を行う。
8)横川吸虫症
病原体は横川吸虫である。横川吸虫の虫卵のサイズは平均的であるが、成虫のサイズは小さい。
形態・生活史
第二中間宿主はアユ、ウグイ、ヤマメ、シラウオであり、メタセルカリアを摂取することでヒトに感染する。成虫のサイズは小さく、小腸に寄生する。
症状
無症状である。
診断
検便で虫卵検出を行う。虫卵について、フタの構造の付近に突起物は無いことが特徴である。
治療
プラジカンテルの経口投与を行う。
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【医学部勉強シリーズ】寄生虫の病原性と感染疫学【寄生虫学:総論第2回】
みなさんこんにちは!医学部での勉強の復習のために講義のまとめを記事にしてみました!現在、寄生虫学を学んでいる方は見覚えのある内容もあるかもしれません。この記事を通して医学部での勉強の雰囲気を感じていただければと思います。
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寄生虫の生活史、感染経路、感染疫学的意義について整理する。
<目次>
寄生虫の感染
1)寄生虫の感染源
感染源は以下の3つである。
- 患者:寄生虫に感染し、何らかの症状を発して医療の対象となる者のことである。
- 保虫者:寄生虫に感染しているが症状を示していない者のことである。
- 保虫宿主:人体寄生虫を保有しているヒト以外の固有宿主のことである。
2)感染型
寄生虫の生活環においてヒトに感染性を持つ形態や発育ステージは限られている。各寄生虫とヒトに感染できる発育ステージの関係性をまとめる。なお以下では寄生虫と発育ステージにアルファベットを付与し整理する。
<発育ステージ>---<寄生虫>
- A:虫卵(幼虫形成卵、幼虫包蔵卵)---回虫、蟯虫
- B:幼虫(感染型幼虫)---鉤虫、糞線虫
- C:セルカリア---住血吸虫
- D:メタセルカリア---肺吸虫、横川吸虫
- E:ブレロセルコイド---裂頭条虫
- F:嚢虫---無鉤条虫
- G:嚢子(シスト)---赤痢アメーバ、ジアルジア
- H:スポロゾイド---マラリア原虫
- I:オーシスト---クリプトスポリジウム
A:回虫の生活環
幼虫形成卵が経口感染することから始まる。小腸で孵化した幼虫は小腸壁から門脈経由で肝臓に向かう。その後心臓から肺に移動する。肺胞から気管支、気管と上行した後に嚥下されて再び小腸に達して成虫になる。虫卵経口感染後2〜3ヶ月で成虫になる。小腸に寄生し寿命は1〜2年である。成虫は受精卵を作り便と共に排泄される。受精卵の時点では感染性を持たないが、幼虫形成卵まで成熟すると感染性を持ち手指や塵や野菜を経由してヒトに経口感染する。
B:鉤虫の生活環
感染幼虫が体内に侵入する経路は主に2つである。ズビニ鉤虫は経口感染が主であり、アメリカ鉤虫は経皮感染が主である。体内で成虫になるまでに約2ヶ月かかる。
C:日本住血吸虫の生活環
中間宿主はミヤイリガイである。虫卵から孵化したミラシジウムがミヤイリガイに侵入してセルカリアになる。セルカリアが経皮感染することによって日本住血吸虫はヒトに感染する。雌雄異体であり、成虫は門脈から腸管膜静脈に寄生する。寿命は3〜6年である。
D:横川吸虫の生活環
ヒトの便に混じって卵が排出され第一中間宿主に寄生する。そこで幼生生殖※をする。その後、第二中間宿主に寄生しメタセルカリアとなる。メタセルカリアが終宿主であるヒトに経口感染することで横川吸虫は感染する。生アユなどを食べることにより経口感染する。横川吸虫は雌雄同体である。
※幼生生殖とは産出された卵が単為生殖的に発生することである。単為生殖とは雌雄片方の個体のみで子孫を作りだす生殖のことである。
E:日本海裂頭条虫の生活環
虫卵がヒトなどの便から排泄された後に第一中間宿主であるケンミジンコに寄生する。その後、第二中間宿主であるサクラマスやカラフトマスに寄生しプレロセルコイドになる。プレルセルコイドを含むマスの鮨や刺身を食べることで終宿主であるヒトに感染する。クマなども終宿主になり得る。
F:無鉤条虫の生活環
中間宿主は牛であり、筋肉内に無鉤嚢虫が存在する。生の牛肉、つまり生焼けの牛ステーキやユッケ、牛刺しを食べることにより嚢虫が終宿主であるヒトに感染する。終宿主はヒトのみである。
G:赤痢アメーバの生活環
成熟嚢子(シスト)を経口摂取することでヒトに感染する。大腸に寄生し、栄養型※の赤痢アメーバは二分裂で増殖する。
※赤痢アメーバは「栄養型」と呼ばれる活動型と、「嚢子(シスト)」と呼ばれる休眠状態の2つの型が存在する。
H:マラリア原虫の生活環
スポロゾイトの状態においてマラリア原虫はヒトに感染し、生殖を行う。蚊の体内においては両性生殖、つまり有性生殖を行う。一方でヒトの体内では無性生殖で多数分裂を行う。
I:クリプトスポリジウムの生活環
オーシストの状態で経口摂取することによってクリプトスポリジウムはヒトなどに感染する。宿主はヒトのみではなくヤギなどの保虫宿主も存在する。体内でスポロゾイトの状態に変化し、小腸粘膜微絨毛内に寄生する。無性生殖や有性生殖を行う。
3)感染経路
感染経路は主に以下の4つである。
J:トキソプラズマの生活環
終宿主はネコ科動物であり、終宿主の腸管内でトキソプラズマは有性生殖を行う。オーシストの状態で終宿主から便と共に排泄され、そのオーシストがヒトの口から入る。その後、タキゾイドという急増虫体となりマクロファージ内で無性生殖を行う。マラブラディゾイドという緩増虫体となり筋肉内や脳内で緩やかに増殖する。また胎盤を通して胎児に感染する、いわゆる経胎盤感染が起きる。
K:膣トリコモナスの生活環
膣や前立腺、尿道に感染する。栄養型の膣トリコモナスのみ二分裂で増殖する。(女性は症状が現れやすいが男性は無症状であることも多い。性行為により感染する。)
4)伝播
- 直接伝播:ヒトからヒトに感染する。膣トリコモナスや蟯虫などがこれに当てはまる。
- 間接伝播:何かを介して感染が広がる。伝播者が関係する機械的伝播と、媒介者(ベクター)や中間宿主が関係する生物学的伝播がある。
5)人獣共通感染症
人獣共通感染症とは脊椎動物とヒトの間で自然に感染する感染症のことである。主な人獣共通寄生虫症は以下の通りである。なおカッコ内は終宿主、もしくは宿主である。
- 原虫---リーシュマニア症(イヌなど)、トキソプラズマ症(J)(ネコなど)
- 線虫---旋毛虫症(クマなど)、アニサキス症(イルカなど)
- 吸虫---日本住血吸虫症(C)(ネコなど)、肺吸虫症(D)(イヌなど)
- 条虫---エキノコックス症(L)(キツネなど)、無鉤条虫(F)(ウシ)※
※ウシは中間宿主であり終宿主はヒトである。
L:エキノコックスの生活環
- 単包条虫の場合:終宿主はイヌ、オオカミである。ヒトは中間宿主であり虫卵を経口摂取することで感染する。主に肝臓に寄生し嚢腫形成する。
- 多包条虫の場合:終宿主はキツネ、イヌである。その他については単包条虫の場合と同様である。
6)浸淫的発生と流行的発生
- 浸淫的発生:ある感染症が一地域において常時発生している状態である。地方病や風土病ともいう。中間宿主やベクターがその地域に分布している。
- 流行的発生:ある感染症が、ある地域またはある時期に異常に発生すること。世界的流行(パンデミック)もこれに含まれる。
7)新興・再興感染症としての寄生虫症
- 新興感染症:アメーバ角膜炎、クリプトスポリジウム症(I)、サイクロスポーラ症、バベシア症、旋尾線虫症、クドア食中毒などが当てはまる。
- 再興寄生虫感染症:赤痢アメーバ症(G)、マラリア(H)、糞線虫症(B)、裂頭条虫症(E)、エキノコックス(L)などが当てはまる。
- 1〜3類には寄生虫症は含まれない。ただし1類のペストはノミが媒介する。
- 4類にはエキノコックス症(L)とマラリア(H)が分類されている。節足動物などの動物が媒介するものが多数含まれる。
- 5類にはアメーバ赤痢(G)、クリプトスポリジウム症(I)、ジアルジア症が含まれる。感染者の全数届出が必要である。
8)Neglected Tropical Disease(NTDs)としての寄生虫症
WHOは20の疾患群を顧みられない熱帯病(NTDs)としている。つまりこれらは人類の中で制圧しなければならない感染症である。このうち13疾患群(7〜17、19、20)が寄生虫と衛生動物による疾患である。
- デング熱とチクングニア熱
- 狂犬病
- トラコーマ
- ブルーリ潰瘍
- フランベジア(風土性トレポネーマ症)
- ハンセン病
- シャーガス病
- ヒトアフリカトリパノソーマ(睡眠病)
- リーシュマニア症
- 条虫症/嚢虫症
- メジナ虫症(ギニア虫症)
- エキノコックス症(包虫症)
- 植物由来吸虫感染症
- リンパ系フィラリア症
- オンコセルカ症(河川盲目症)
- 住血吸虫症
- 土壌伝播性蠕虫感染症
- マイセトーマ、深在性真菌症
- 疥癬と外部寄生虫症※疥:マラリアなどの意味を持つ漢字
- 毒蛇咬症
DALY(Disability Adjusted Life Years、障害調整生命年)とは各種疾患による生命の損失や障害を単に死亡件数・患者発生数・生命短縮(YLL:Years Life Lost)だけではなく、それ以外の苦痛や障害(YLD:Years Lived with Disability)も含めて定量化したものである。NTDsはDALYが大きく撲滅が必要であると言える。
寄生虫の病原性と病理・病態
1)物理的(機械的)機序
原虫は増殖し、蠕虫は発育することで物理的機序を起こす。以下のようなことが起きる。
- 細胞内寄生原虫であるマラリア原虫による赤血球の破壊
- 幼虫の体内移行による組織破壊
- 鉤虫の咬着による失血、またこれに起因する鉄欠乏性貧血
- 多数の回虫の寄生による腸閉塞、回虫の胆管迷入による閉塞性黄疸
2)化学的(生理的)機序
赤痢アメーバ(G)のタンパク質分解酵素による組織妖怪が起こる。アメーバ性肝膿瘍などが起こる。
3)アレルギー性の機序
Cooms分類で整理する。
I型(即時型、IgEによる)
寄生虫抗原に対するIgEがレセプターを介してマスト細胞に結合する。抗原が結合することでマスト細胞が活性化し伝達物質が放出され臨床効果が発揮される。以下のような例が挙げられる。
- 鉤虫(B)の感染幼虫や住血吸虫(C)のセルカリアによるセルカリア性皮膚炎
- 回虫(A)、線状虫、、鉤虫(B)、好酸球の増多を呈する肺炎症状(レフラー症候群、熱帯性好酸球増多症)
- ミツバ氏の反復刺咬によるアナフィラキシーショック
- 室内塵ヒョウヒダニ(とその排泄物)によるアレルギー性気管支喘息
II型(細胞溶解型、細胞障害型、IgGによる)
マラリア(H)における非感染赤血球の溶血が起きる。寄生虫抗原が抗体に吸着して、補体も働き、食細胞によりADCC(抗体依存性細胞障害)が起きる。
Ⅲ型(免疫複合体、IgGによる)
四日熱マラリア(H)による腎炎がある。抗原・抗体の複合体が糸球体基底膜に付着し、補体が活性化して好中球が集積する。ライソソーム酵素が放出され周囲組織が傷害される。
Ⅳ型(遅延型、T細胞による)
住血吸虫症(C)の虫卵結節形成などがある。T細胞からサイトカインが放出され、マクロファージが活性化され集積し、肉芽腫が形成され繊維化も起きる。
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【医学部勉強シリーズ】寄生虫の病原性と感染疫学【寄生虫学:総論第2回】
寄生虫の生活史、感染経路、感染疫学的意義について整理する。
<目次>
寄生虫の感染
1)寄生虫の感染源
感染源は以下の3つである。
- 患者:寄生虫に感染し、何らかの症状を発して医療の対象となる者のことである。
- 保虫者:寄生虫に感染しているが症状を示していない者のことである。
- 保虫宿主:人体寄生虫を保有しているヒト以外の固有宿主のことである。
2)感染型
寄生虫の生活環においてヒトに感染性を持つ形態や発育ステージは限られている。各寄生虫とヒトに感染できる発育ステージの関係性をまとめる。なお以下では寄生虫と発育ステージにアルファベットを付与し整理する。
<発育ステージ>---<寄生虫>
- A:虫卵(幼虫形成卵、幼虫包蔵卵)---回虫、蟯虫
- B:幼虫(感染型幼虫)---鉤虫、糞線虫
- C:セルカリア---住血吸虫
- D:メタセルカリア---肺吸虫、横川吸虫
- E:ブレロセルコイド---裂頭条虫
- F:嚢虫---無鉤条虫
- G:嚢子(シスト)---赤痢アメーバ、ジアルジア
- H:スポロゾイド---マラリア原虫
- I:オーシスト---クリプトスポリジウム
A:回虫の生活環
幼虫形成卵が経口感染することから始まる。小腸で孵化した幼虫は小腸壁から門脈経由で肝臓に向かう。その後心臓から肺に移動する。肺胞から気管支、気管と上行した後に嚥下されて再び小腸に達して成虫になる。虫卵経口感染後2〜3ヶ月で成虫になる。小腸に寄生し寿命は1〜2年である。成虫は受精卵を作り便と共に排泄される。受精卵の時点では感染性を持たないが、幼虫形成卵まで成熟すると感染性を持ち手指や塵や野菜を経由してヒトに経口感染する。
B:鉤虫の生活環
感染幼虫が体内に侵入する経路は主に2つである。ズビニ鉤虫は経口感染が主であり、アメリカ鉤虫は経皮感染が主である。体内で成虫になるまでに約2ヶ月かかる。
C:日本住血吸虫の生活環
中間宿主はミヤイリガイである。虫卵から孵化したミラシジウムがミヤイリガイに侵入してセルカリアになる。セルカリアが経皮感染することによって日本住血吸虫はヒトに感染する。雌雄異体であり、成虫は門脈から腸管膜静脈に寄生する。寿命は3〜6年である。
D:横川吸虫の生活環
ヒトの便に混じって卵が排出され第一中間宿主に寄生する。そこで幼生生殖※をする。その後、第二中間宿主に寄生しメタセルカリアとなる。メタセルカリアが終宿主であるヒトに経口感染することで横川吸虫は感染する。生アユなどを食べることにより経口感染する。横川吸虫は雌雄同体である。
※幼生生殖とは産出された卵が単為生殖的に発生することである。単為生殖とは雌雄片方の個体のみで子孫を作りだす生殖のことである。
E:日本海裂頭条虫の生活環
虫卵がヒトなどの便から排泄された後に第一中間宿主であるケンミジンコに寄生する。その後、第二中間宿主であるサクラマスやカラフトマスに寄生しプレロセルコイドになる。プレルセルコイドを含むマスの鮨や刺身を食べることで終宿主であるヒトに感染する。クマなども終宿主になり得る。
F:無鉤条虫の生活環
中間宿主は牛であり、筋肉内に無鉤嚢虫が存在する。生の牛肉、つまり生焼けの牛ステーキやユッケ、牛刺しを食べることにより嚢虫が終宿主であるヒトに感染する。終宿主はヒトのみである。
G:赤痢アメーバの生活環
成熟嚢子(シスト)を経口摂取することでヒトに感染する。大腸に寄生し、栄養型※の赤痢アメーバは二分裂で増殖する。
※赤痢アメーバは「栄養型」と呼ばれる活動型と、「嚢子(シスト)」と呼ばれる休眠状態の2つの型が存在する。
H:マラリア原虫の生活環
スポロゾイトの状態においてマラリア原虫はヒトに感染し、生殖を行う。蚊の体内においては両性生殖、つまり有性生殖を行う。一方でヒトの体内では無性生殖で多数分裂を行う。
I:クリプトスポリジウムの生活環
オーシストの状態で経口摂取することによってクリプトスポリジウムはヒトなどに感染する。宿主はヒトのみではなくヤギなどの保虫宿主も存在する。体内でスポロゾイトの状態に変化し、小腸粘膜微絨毛内に寄生する。無性生殖や有性生殖を行う。
3)感染経路
感染経路は主に以下の4つである。
J:トキソプラズマの生活環
終宿主はネコ科動物であり、終宿主の腸管内でトキソプラズマは有性生殖を行う。オーシストの状態で終宿主から便と共に排泄され、そのオーシストがヒトの口から入る。その後、タキゾイドという急増虫体となりマクロファージ内で無性生殖を行う。マラブラディゾイドという緩増虫体となり筋肉内や脳内で緩やかに増殖する。また胎盤を通して胎児に感染する、いわゆる経胎盤感染が起きる。
K:膣トリコモナスの生活環
膣や前立腺、尿道に感染する。栄養型の膣トリコモナスのみ二分裂で増殖する。(女性は症状が現れやすいが男性は無症状であることも多い。性行為により感染する。)
4)伝播
- 直接伝播:ヒトからヒトに感染する。膣トリコモナスや蟯虫などがこれに当てはまる。
- 間接伝播:何かを介して感染が広がる。伝播者が関係する機械的伝播と、媒介者(ベクター)や中間宿主が関係する生物学的伝播がある。
5)人獣共通感染症
人獣共通感染症とは脊椎動物とヒトの間で自然に感染する感染症のことである。主な人獣共通寄生虫症は以下の通りである。なおカッコ内は終宿主、もしくは宿主である。
- 原虫---リーシュマニア症(イヌなど)、トキソプラズマ症(J)(ネコなど)
- 線虫---旋毛虫症(クマなど)、アニサキス症(イルカなど)
- 吸虫---日本住血吸虫症(C)(ネコなど)、肺吸虫症(D)(イヌなど)
- 条虫---エキノコックス症(L)(キツネなど)、無鉤条虫(F)(ウシ)※
※ウシは中間宿主であり終宿主はヒトである。
L:エキノコックスの生活環
- 単包条虫の場合:終宿主はイヌ、オオカミである。ヒトは中間宿主であり虫卵を経口摂取することで感染する。主に肝臓に寄生し嚢腫形成する。
- 多包条虫の場合:終宿主はキツネ、イヌである。その他については単包条虫の場合と同様である。
6)浸淫的発生と流行的発生
- 浸淫的発生:ある感染症が一地域において常時発生している状態である。地方病や風土病ともいう。中間宿主やベクターがその地域に分布している。
- 流行的発生:ある感染症が、ある地域またはある時期に異常に発生すること。世界的流行(パンデミック)もこれに含まれる。
7)新興・再興感染症としての寄生虫症
- 新興感染症:アメーバ角膜炎、クリプトスポリジウム症(I)、サイクロスポーラ症、バベシア症、旋尾線虫症、クドア食中毒などが当てはまる。
- 再興寄生虫感染症:赤痢アメーバ症(G)、マラリア(H)、糞線虫症(B)、裂頭条虫症(E)、エキノコックス(L)などが当てはまる。
- 1〜3類には寄生虫症は含まれない。ただし1類のペストはノミが媒介する。
- 4類にはエキノコックス症(L)とマラリア(H)が分類されている。節足動物などの動物が媒介するものが多数含まれる。
- 5類にはアメーバ赤痢(G)、クリプトスポリジウム症(I)、ジアルジア症が含まれる。感染者の全数届出が必要である。
8)Neglected Tropical Disease(NTDs)としての寄生虫症
WHOは20の疾患群を顧みられない熱帯病(NTDs)としている。つまりこれらは人類の中で制圧しなければならない感染症である。このうち13疾患群(7〜17、19、20)が寄生虫と衛生動物による疾患である。
- デング熱とチクングニア熱
- 狂犬病
- トラコーマ
- ブルーリ潰瘍
- フランベジア(風土性トレポネーマ症)
- ハンセン病
- シャーガス病
- ヒトアフリカトリパノソーマ(睡眠病)
- リーシュマニア症
- 条虫症/嚢虫症
- メジナ虫症(ギニア虫症)
- エキノコックス症(包虫症)
- 植物由来吸虫感染症
- リンパ系フィラリア症
- オンコセルカ症(河川盲目症)
- 住血吸虫症
- 土壌伝播性蠕虫感染症
- マイセトーマ、深在性真菌症
- 疥癬と外部寄生虫症※疥:マラリアなどの意味を持つ漢字
- 毒蛇咬症
DALY(Disability Adjusted Life Years、障害調整生命年)とは各種疾患による生命の損失や障害を単に死亡件数・患者発生数・生命短縮(YLL:Years Life Lost)だけではなく、それ以外の苦痛や障害(YLD:Years Lived with Disability)も含めて定量化したものである。NTDsはDALYが大きく撲滅が必要であると言える。
寄生虫の病原性と病理・病態
1)物理的(機械的)機序
原虫は増殖し、蠕虫は発育することで物理的機序を起こす。以下のようなことが起きる。
- 細胞内寄生原虫であるマラリア原虫による赤血球の破壊
- 幼虫の体内移行による組織破壊
- 鉤虫の咬着による失血、またこれに起因する鉄欠乏性貧血
- 多数の回虫の寄生による腸閉塞、回虫の胆管迷入による閉塞性黄疸
2)化学的(生理的)機序
赤痢アメーバ(G)のタンパク質分解酵素による組織妖怪が起こる。アメーバ性肝膿瘍などが起こる。
3)アレルギー性の機序
Cooms分類で整理する。
I型(即時型、IgEによる)
寄生虫抗原に対するIgEがレセプターを介してマスト細胞に結合する。抗原が結合することでマスト細胞が活性化し伝達物質が放出され臨床効果が発揮される。以下のような例が挙げられる。
- 鉤虫(B)の感染幼虫や住血吸虫(C)のセルカリアによるセルカリア性皮膚炎
- 回虫(A)、線状虫、、鉤虫(B)、好酸球の増多を呈する肺炎症状(レフラー症候群、熱帯性好酸球増多症)
- ミツバ氏の反復刺咬によるアナフィラキシーショック
- 室内塵ヒョウヒダニ(とその排泄物)によるアレルギー性気管支喘息
II型(細胞溶解型、細胞障害型、IgGによる)
マラリア(H)における非感染赤血球の溶血が起きる。寄生虫抗原が抗体に吸着して、補体も働き、食細胞によりADCC(抗体依存性細胞障害)が起きる。
Ⅲ型(免疫複合体、IgGによる)
四日熱マラリア(H)による腎炎がある。抗原・抗体の複合体が糸球体基底膜に付着し、補体が活性化して好中球が集積する。ライソソーム酵素が放出され周囲組織が傷害される。
Ⅳ型(遅延型、T細胞による)
住血吸虫症(C)の虫卵結節形成などがある。T細胞からサイトカインが放出され、マクロファージが活性化され集積し、肉芽腫が形成され繊維化も起きる。
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おすすめ物理参考書2選【東工大・医学部再受験合格実績あり】
みなさんこんにちは!本日は医学部再受験・医学部学士編入・難関大学受験に使える物理の参考書を紹介します。
まず初めに、物理の参考書紹介をするモチベーションについて少しお話ししたいと思います。
本日紹介する本の中に、講義系の参考書がありますが、これが面白すぎたことがきっかけとなって進路選択に大きな影響を及ぼしています。
具体的には、まず高校生の時の文理選択で理系選択をする決め手となりました。将来何になりたいか、ではなくてどちらが面白い科目かという視点で文理選択をしたのでこのような進路になっています。
また、物理が面白くなりすぎたので、物理に関連したい学科に行きたいと思うようになりました。当時は生物もかなり好きでしたが、物理と生物を選択するという勇気ある判断ができなかったので、泣く泣く物理化学を選択して、それらの科目の先にある工学部に行こうという感じになりました。なので、物理がここまで面白く感じなければ、再受験ではなく現役の受験生の時に医学部に行っていたかもしれないです。
それくらい自分の進路選択に影響を与えた参考書であり、非常に思い入れがあります。わかりやすさや面白さはピカイチだと思います。この講義系の参考書は本日の動画の最後に紹介しますので、ぜひ最後までご視聴いただけますと幸いです!!
ということで、本日は2冊のおすすめ参考書と1冊の有名だけれどもおすすめしない参考書を紹介します。
おすすめ参考書2冊のうちの1冊目は、冒頭にもお話をした講義系の参考書です。これ一冊で、前提知識0の状態から、センター試験・共通テストレベルを飛び越えて、2次試験レベルの難し目の問題集を解くことができるレベルまで到達します。2冊目は良問がコンパクトにまとまった問題集です。最小の問題数で最大の成果が得られると思います。
おすすめしない参考書は、講義系参考書と問題集の中間的な立ち位置の本です。かなり内容が端折られており、独学・知識0の状態でこの本に取り掛かると挫折する可能性が非常に高いです。
これらの参考書を使って、塾なし独学で東工大に現役合格していますし、同じく独学で会社員をやりながら医学部再受験を成功させていますので、物理の参考書選びで迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
それでは早速物理のおすすめ参考書2冊と、おすすめしない参考書を見ていきましょう!
1冊目
1冊目は「名問の森」です。
この問題集1冊で、東工大や医学部入試で物理が得点源となって周りと差をつけられるレベルまで成長します。
思考力が問われる問題が多数掲載されているため、問題数は多くないですが、この1冊を極めることで圧倒的な実力アップが望めます。
この問題集はかなり難易度が高いと思われていて、他の簡単めの問題集を挟んだ方が良いのではないかと考える人がいるかもしれませんが、個人的には物理の一通りの考え方を身につけたらすぐに「名問の森」に着手して良いと思います。
問題集は、全く理解していない内容が理解できるようになる本ではなく、理解ができている内容を実践で使えるレベルに引き上げてくれるものです。ですので「名問の森」の問題に歯が立たないという場合は確実に理解が不足していますので、問題集ではなく講義系の参考書に取り組むことをおすすめします。逆に講義系の参考書できちんと内容理解ができていれば「名問の森」よりも簡単な問題集はやる必要はないと思います。やっても、時間の無駄になってしまう可能性が高いです。
本日の最後に紹介する講義系の参考書をしっかりと定着させればスムースに「名問の森」での演習につなげられます。
おすすめしない参考書
次におすすめしない参考書を紹介します。 それは「物理のエッセンス」です。
この参考書も超有名で、中には高校の指定教材になっていて買わされたりしている人もいるかもしれません。定番の参考書なのでこれをやっておけば問題ないと思っている方もいるかもしれませんが、個人的にはおすすめできません。
この本の内容としては、まず公式の記載があって、さらにシンプルな演習問題がついています。しかし、公式に関する説明は少なく、どうしてそのような公式が導かれるのかや、その公式をどのように使えばよいかの説明もほぼありません。また、演習問題も一見簡単そうに見えますが、きちんと内容を理解していないと解けないものばかりです。「物理のエッセンス」を初学者がはじめから丁寧に読んで、演習問題に取り組んだとしても問題が解けるほどの理解は深まりません。一方で、本日最後に紹介する講義系の参考書を一通りこなせば「物理のエッセンス」より数段難しい問題集が、すでにある程度解けるようになっていますので、わざわざこの本をやる必要はないと思います。
このように、初学者には難しすぎるし、一通り内容を理解した人には簡単すぎる、使い所が難しい参考書だと思います。
2冊目
それでは最後に、最もおすすめする講義系の参考書を紹介します。 それは「浜島清利物理講義の実況中継」です。
私は現役生で東工大受験をするときにはこの本の旧版を使っていて、それから6年後の医学部再受験の際もこの本の新版を使って独学で勉強していました。
初めてこの本の旧版に出会ったときに、前書きに書いてあった浮力の話が今でも忘れられないので少し紹介したいと思います。
物体に働く浮力の公式は、物質の密度をρ、物質の体積をV、重力加速度をgとして「ρVg」で表されます。
この公式について、物理の教科書ではこのように説明されていると思います。
ごちゃごちゃした説明になっているので詳細は省きますが、水中の物体の上面に働く力と物体の下面に働く力を圧力の公式から求めて、それらの差し引きによって浮力の公式を導出しています。
そもそも、水中に存在する物体は水面のあらゆる方向から力を受けている、というところから話が始まるのも実感がなんとなくわかないし、いろんな公式を引っ張り出して計算してこねくり回して浮力の式を導き出していているので、当時高校生だった僕は非常にわかりにくい考え方だなと感じていました。
一方で、「浜島清利物理講義の実況中継」では次のように説明されていました。
まず、水中のある部分が切り取られたとして考えてみましょう。そこに働く重力は質量×重力加速度でmgとなるはずです。ここでの水の質量mは水の密度と体積をかけたものなのでm=ρVになっています。つまり、切り取った部分の水に働く重力はρVgです。
また、この切り取ったと仮定している水は下にいったりせずにその場で静止しています。つまり静止しているということは力が釣り合っているはずです。なので、物体と接している水から、重力とは逆の向き、つまり上向きに力を受けているはずです。その力の大きさは、切り取った水に働いている重力と釣り合っているので、こちらもρVgになります。
この、周りの水から受けている上向きの力、ρVgが浮力の正体ということです。
この説明を聞いて、みなさんはどう感じたでしょうか。個人的には教科書に書いている説明の100倍は分かりやすかったですし、公式を自然に理解できてとても感動しました。
この感動がきっかけで、物理の面白さにはまり、得意科目になり、現役の時は工学部に進学するくらい、この参考書には影響を受けています。
少しだけ著者の話をしますと、この本は浜島先生という京都大学理学部物理学科を卒業されている先生が執筆をしています。この先生は「名問の森」も執筆されているため、「浜島清利物理講義の実況中継」と「名問の森」では、問題の解き方などでかなり共通点がありますので、この2冊を使って内容理解から演習へとスムースに進められると思います。
終わりに
ということでおすすめ参考書2冊とおすすめできない参考書1冊を紹介してきました!
物理というと、得意な人は安定的に満点近くを叩き出せる一方で、苦手な人は全く点数が取れないといった感じで、得意な人と苦手な人の点数差が激しくなってしまう科目だと思います。
この得意と苦手を分ける鍵は、きちんと公式や内容を理解しているかにつきます。物理で暗記に頼ってしまうと応用が全く効かずに、簡単な問題でも勘違いを起こして間違えてしまいます。一方で正確に理解をしておけば、一見難しそうな問題も原則通りに考えていけば案外簡単に解けてしまいます。
本日紹介した2冊の参考書で、全くの前提知識0の状態から物理が入試で武器になるレベルまで必ず成長しますので、物理の実力をアップさせたい人はぜひ取り組んでみてください!
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おすすめ化学参考書3選【東工大・医学部再受験合格実績あり】
みなさんこんにちは!本日は医学部再受験・医学部学士編入・難関大学受験に使える化学の参考書を紹介します。
まずみなさんに最初に言いたいことは、化学のわかりやすい参考書は非常に少なく、参考書選びを間違えてしまうと理解が進まないまま丸暗記の学習になってしまうということです。
私自身が受験勉強をした際に、化学の教科書の書き方が非常に分かりにくかったため、初学者レベルでも理解できる参考書を探しましたが、なかなか見つかりませんでした。あまりにも浅い内容しか書いていない本であったり、初学者には情報量が多すぎる本など使いにくい参考書ばかりが目につきました。
このような質の低い本や、分かりにくい教科書を使って学習をしてしまい、化学が面白くない、暗記ばかりでつまらないと感じてしまっている方も多いと思います。
では、このような状況におちいらないためにはどうすればいいのでしょうか?
分かりやすい理解系の参考書と、良問が過不足なくチョイスされている問題集を併用して勉強するのが最善策です。
よく、教科書や分厚い参考書に書いてあることを片っ端から暗記していこうとする人がいますが、効率が悪すぎます。受験に間に合いません。質の高い参考書で学習をすれば、3ヶ月でセンターレベル、半年で医学部・難関大学レベルまでマスターすることが可能です。
本日は化学の知識が全くゼロの状態から、問題集を解くことができるようなレベルになる理解系の参考書や、医学部・難関大学合格レベルまで実力をアップさせる問題集など、3つの参考書を紹介します。
私がこれから紹介する化学の参考書には2つの基準があります。
一つ目は「化学の知識ゼロの状態から独学で学べるほど分かりやすく書かれているか」 化学を学んだことのない人でもこの本だけ集中して取り組めば基礎が固まるというような、理解系の参考書をチョイスしました。
二つ目は「医学部・難関大学レベルまで実力を上げることができるか」 理解系の参考書で基礎レベルまで積み上げたところから、なるべく少ない問題数で合格レベルに達するような参考書を選定しました。
本日は初学者が大学合格レベルまで到達できる化学の参考書を紹介するだけでなく、これらの本の効果的な使い方も紹介していきます!
私自身、本日紹介する3シリーズの参考書を使って、塾なし独学で東工大に現役合格をしていますし、会社員をしながら独学で医学部再受験も成功させていますので、みなさんがこれから化学の参考書を買う時の参考にしたり、自分の好みに合うものがあれば是非使ってみてください。
特に、本日最後に紹介する本は、私が一番気に入っていた理解系の参考書です。個人的にはこの本よりも分かりやすい参考書はないのではないかと思っています。
化学の知識がゼロだけれども、分かりやすい本で基礎を確実に固めたいと思っている方、暗記ではなく理解を大切にして勉強を進めたい方は、ぜひ最後まで見ていって下さい!
さっそく化学の参考書3シリーズの発表をしていきましょう。
1冊目
1冊目は「重要問題集」です。
かなり有名な参考書なので知っている人もいるかもしれませんが、人によっては、問題集はこの1冊だけで十分かもしれません。
その理由としては、大学受験で必要となる問題が過不足なく網羅されており、これさえ解いておけば必要な知識がもれなく定着します。ということで無駄が一切ありません。
様々な問題集がありますが、簡単すぎる問題が大量に重複して掲載されていたり、重箱の隅をつつくようなマニアックな問題がたくさん収録されていて、時間ばかりかかってしまうという経験はありませんか?このように1冊で必要な問題が適切な分量でまとまっている本はなかなか無いかと思います。
しかしこの「重要問題集」は基礎レベルの学力を、医学部・難関大学合格レベルにまで確実に引き上げてくれます。
「もしあなたがどの問題集を買ったらいいのか分からない」「いたずらに問題数の多い本は嫌だ」「合格レベルに確実に達したい」と思っているのなら、この問題集は買って損はない一冊となっています。
おすすめの使い方を簡単に紹介しますと、本日の最後に紹介する理解系の参考書と併用して使うと良いです。
具体的には、「反応速度と化学平衡」などの一つの章を理解系の参考書で学習したら、すぐに「重要問題集」の同じ内容の問題を解いて、理解を定着させるようにしてください。そうすることで、内容がわかるという状態から問題が解けるという実戦で使える状態までレベルアップすることができます。このようなルーティーンを3ヶ月から半年程度続けることで、医学部や難関大学の過去問が解けるレベルにまで成長します。
2冊目
2冊目は「化学の新演習」です。
この本の良いところは、良質で難易度の高い問題が揃えられているところです。また解説も豊富ですので、独学で勉強する方にもおすすめできる問題集です。
もちろん最初からこの本に取り組んでも良いのですが、私が思うこの本を効果的に使う方法は、ある程度「重要問題集」などで全範囲の問題を解いてから使うとより深く内容が理解できると思います。
私は「重要問題集」を解いて苦手意識を感じた分野のみを「化学の新演習」を使って再度取り組んで内容を定着させていました。「重要問題集」をやり終わってさらに重点的に取り組みたい人はぜひ着手してみてください。
3冊目
3冊目は、とうとう私が最も気に入っている理解系の参考書です。
それは…「大学受験Doシリーズ」です!
私がこの本を、知識ゼロで化学の勉強を始める段階で読んだときには、この参考書を使えば化学の勉強を暗記重視ではなく理解重視で進められると感じて嬉しくなったことを覚えています。
本の特徴としては、理論、有機、無機の3冊があって、それぞれの単元ごとに基本の考え方がまず書いてあって、その後ろに基本事項を理解できたかを試す演習問題がついています。
なので効果的な使い方としては、シンプルに章ごとに説明を読んでから演習問題も飛ばさずに解いていくのが良いと思います。初学者が初めの1冊として取り組む場合には、演習問題が解けないこともあると思いますので、その際は深く考え込まずに1周目は解答を見てしまってOKです。先ほども言いましたが、一つの章を終えたらすぐに「重要問題集」などの問題集で同じ範囲の問題を解いて、内容を定着させることをおすすめします。
最後にメッセージ ということで参考書3シリーズを発表してきました!
化学の参考書でしっくりくるものが無い、化学がいまいち得意に感じられない、そう思うのも分かります。私自身も化学に強く苦手意識を感じていました。でも化学が得意な人はみんな自分に合った参考書で内容を理解して、良問が選定されている問題集で地道に演習を積んでいます。私もそのうちの一人でした。私自身、化学ができるようになったと感じたのは、暗記重視から理解重視の勉強に変えて、なおかつ一定量の問題を解き終わったときからです。東工大で材料工学の勉強や研究をしたときにも、高校化学の内容が基礎として大いに役立ちました。逆に化学に苦手意識を感じるのは、自分に合わない参考書や教科書を使って内容を丸覚えしようとしているからです。理解系の参考書と、良質な問題集でバランスよく内容理解と演習をすることは、受験や大学入学後に大いに役立つことを保証します。
終わりに
ということで最後まで読んでいただきまして本当にありがとうございました。お知らせの後に今回の内容が定着するように復習をします。ぜひ最後まで読んで下さい。
このアカウントでは、医学部再受験、医学部学士編入をはじめとして、大学受験や医学部生活に関する情報をわかりやすく発信しています。そういった記事をこれからも見逃したくない人はぜひ今のうちにフォローをお願いします!
では最後に復習をして明日から使えるようになりましょう。今回は「医学部・難関大学受験に使える参考書3シリーズ」を紹介しました。
1冊目は「重要問題集」です。
問題集で迷ったらこれを使って見てください。大学受験に必要な問題が過不足なく網羅されています。
2冊目は「化学の新演習」です。
さらに演習を積みたい人、重点的に強化したい分野がある人はぜひ読んでみてください。
3冊目は「大学受験Doシリーズ」です。
前提知識ゼロの状態から大学受験レベルに学力を引き上げてくれる数少ない参考書です。
ということで今回も最後まで読んでいただき誠にありがとうございました!もしこの記事が少しでも役に立ったら、コメントといいねをお願いします。もっとおすすめの参考書があるという人はコメント欄で是非皆さんに共有していただけると嬉しいです。次回も役に立つ情報を紹介していきますのでぜひフォローをよろしくお願いします。それでは次回の記事でお会いしましょう!
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