医学部再受験・学士編入blog by シマ(東工大卒脱サラ医大生)

東工大卒脱サラ医大生が日々の勉強、生活に役立つtipsを書いています!医学部再受験と医学部学士編入関連記事も執筆しています。

医学部学士編入の振り返り 弘前大学・秋田大学・群馬大学受験体験記

この度、半年間の医学部学士編入試験へのチャレンジが終了しましたのでこの経験から得た情報を記しておきます。

私のバックグラウンド

まず私のバックグラウンドから説明します。受験時は24歳の会社員で仕事を続けながら学士編入試験に挑戦しました。東京工業大学の工学部を卒業して学部卒で就職をしました。大学受験時は物理と化学を使用しており、大学での專攻も化学系でしたので生命科学・生物の知識は皆無でした。英語に関しては苦手意識はなく、編入試験受験時にTOEICは890点、TOEFLは70点でした。就職の際は大学時代の專攻とは関係のない職種を選んでおり、研究職や開発職ではありませんでした。医療に関する経験は一切ない状態での編入試験チャレンジでした。

受験の振り返り

半年間の受験期間で群馬大学秋田大学弘前大学の3校を受験しました。それぞれについて一次試験、二次試験を振り返りながら反省点や、今後受験にチャレンジする方に向けての注意点を整理していきます。

はじめに受験をしたのが群馬大学でした。群馬大学の受験資格には、生物学・物理学・化学の単位や、物理実験・化学実験・生物実験の単位が必要であるため文系の受験生や非生物系の受験生が受験しにくい大学です。私は放送大学で生物の単位を取得して受験をしたのですが、結果的には無駄な努力となりました。試験結果は一次試験不合格でした。一次は筆記と調査書・推薦書で評価をされますが、筆記試験の内容は生物学の知識が必要ない内容でした。筆記は手応えがあったため調査書の内容で落とされていたはずです。やはり生物系以外のバックグラウンドの学生は求めていないことが推測できます。逆に言えば、生物系のバックグラウンドを持った学生は非常に受験しやすい大学ですのでチャンスと言えます。

次に秋田大学を受験しました。秋田大学の一次試験は書類選考のみとなっています。この一次選考で20名程度まで絞るので、思い切って出願してみることをおすすめします。特に調査書でアピールできる自信のある受験生にとって一次試験は非常に有利です。私は一次試験を突破し、二次試験のために秋田まで赴きました。二次試験は生物と英語の筆記試験と面接です。結果は二次試験不合格でした。要因は二つありました。一つは生物の筆記試験の対策不足です。秋田大学受験までに3ヶ月ほどしか生物の勉強をする時間がなかったため知識のインプットが不足していました。また、過去問の演習不足も悪影響を及ぼしました。どの大学を受験する際にも言えることですが、過去問の十分な演習は必要不可欠です。秋田大学の生物の筆記試験の際にも、過去問によく似た内容が出題されましたが、私は一部の問題を解くことができませんでした。この点が一つ目の敗因です。二つ目の敗因は面接でした。後ほど詳しく記しますが、面接では地域医療に貢献する姿勢を示すことがとても重要です。私はこの姿勢を面接で見せることができなかったため減点をされてしまったはずです。

最後に弘前大学を受験しました。弘前大学の学士編入枠は20名と非常に広く、かつ編入試験の終盤に試験日が設定されていることから最も受かりやすい大学のうちの一つと言えます。受験科目は生物・物理・化学・数学ですがどれもセンター試験レベルの標準的な問題です。またTOEFLの点数の提出も必要になりますが、高得点は必要ありません。このような試験内容ですので、理系の受験生はもちろんのこと、物理・化学・数学の準備をした文系出身の受験生も合格実績のある大学です。一般的にはTOEFL120点中50点程度、生物・物理・化学・数学の試験200点中120点程度得点をすれば合格圏内と言われています。私はTOEFL120点中70点、生物・物理・化学・数学の試験200点中160点程度で一次試験を突破しました。二次試験は面接のみとなっています。結果として私は二次試験の面接で不合格となってしまいました。この時の私の最大のミスは、秋田大学の面接の時と同様に地域医療に対する熱意をアピールできなかったことです。特に弘前大学は2021年度入試から20名枠全員が地域枠になっています。そのため、特に地域医療に貢献できることを示す必要がありました。弘前大学の医学部に限らずどこの大学でも、受験生が卒業後にこの地域に残ってくれるのかを一番気にしています。ですので、大学のある地域に残って地域医療に貢献する熱意をうまくアピールできれば面接で高い得点を得ることができます。学士編入試験では面接の比重も大きいため、面接の出来がよければ合格により一層近づくことができます。

面接の注意点 〜地域医療が重要〜

地域医療に対する熱意を面接でアピールする際には、過去の自分の経歴や経験からエピソードを掘り起こすことも大切ですが、それと同じくらい大切なのが、受験する地域の医療目標や、受験する医大の地域医療の方針を確認しておくことです。各都道府県の医療目標に関しては、「〇〇県医療計画」と検索すると出てきますので、概要だけでもチェックすることをおすすめします。各県で共通する内容も多いため、複数の県をチェックしていくと内容が一部重複していることに気づくと思います。分量が多いのではじめはびっくりするかもしれませんが、一度読んでしまえばそれ以降は楽です。参考までに青森県の医療目標のリンクを貼っておくのでぜひチェックしてみてください。

青森県医療計画 本県の医療の概況

加えて、各医大のホームページもチェックしておくことをおすすめします。

地域医療に関するアピールの方法についてさらに補足します。面接で話す内容は面接の前日に準備するのでは明らかに遅いです。面接は事前に提出している調査書等を元に話が展開されますので、調査書に地域医療に貢献するアピール内容を記載しておくことが必要です。また、書類の中で触れるだけでは不十分で、面接の際に地域医療に貢献したい旨を声に出して伝える必要があります。一度だけでなく何度か熱意を伝えられると尚良いです。ここまですれば面接での高得点が期待できるはずです。

まとめ

ここまでが3つの大学を受験した経験から得た反省です。受験期間を経て体感したことは、経歴や学力だけでなく、医大やその地域の医療に貢献できる人材であるかを総合的にチェックされているということです。また、私は医学部入学を決意してから2ヶ月ほどと全く準備できていない状況から受験を開始しましたが、これは良い判断でした。百聞は一件にしかずということで、受験を繰り返すことにより生物の知識がさほど必要でない大学があることや履歴書重視の大学があることに気付き面接までこぎつけることができました。また試験が良い区切りとなり勉強のスピードが加速したように思います。私は運よく2月の一般受験で医学部に合格することができたので編入試験は終了することとなりましたが、もし一般試験で不合格になっていた場合でも春からの編入試験で良いスタートが切れていたはずです。個人的には準備不足であっても早めの受験開始をおすすめします。

結果として私の医学部学士編入は失敗に終わってしまいましたが、失敗談から得られる物もあるかと思い反省点を記しました。後に医学部学士編入にチャレンジされる方の参考になれば幸いです。