医学部再受験・学士編入blog by シマ(東工大卒脱サラ医大生)

東工大卒脱サラ医大生が日々の勉強、生活に役立つtipsを書いています!医学部再受験と医学部学士編入関連記事も執筆しています。

【医学部勉強シリーズ】局所麻酔薬【薬理学:各論第1回】

みなさんこんにちは!今回は局所麻酔薬についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!

<目次>

押さえるべきポイント

局所麻酔薬の語尾はカイン(caine)となっているので注意する。

局所麻酔薬の分類

以下の事項を把握しておくとよい。

  • 神経組織のナトリウムチャネルを遮断することにより、活動電位の発生と伝導を抑制する。
  • 局所麻酔薬はイオン型となって効果を発揮する。
  • 構造により、エステル型とアミド形に分類できる。
  • アミド型にはamidoの「i」が薬物名称に含まれる。すべての局所麻酔薬の語尾はカイン(caine)である。
  • アミド型には光学異性体が存在する。

局所麻酔薬の薬物動態

血管収縮薬は作用部位からの薬の除去を遅くし、持続時間を延長する。大部分の局所麻酔薬は内因性に血管拡張作用を有している。なぜなら交感神経節後線維のナトリウムチャネルを遮断することにより交感神経の働きを抑えるためである。血管収縮を目的として 200,000倍希釈のエピネフリンを添加することがある。

代表的な局所麻酔薬

コカイン以外の代表的な局所麻酔薬については、交感神経節後線維のナトリウムチャネルを抑制する作用を持っている。

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【医学部勉強シリーズ】薬物アレルギー・薬物の耐性と依存性【薬理学:総論第7回】

みなさんこんにちは!今回は薬物アレルギー・薬物の耐性と依存性についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!

<目次>

薬物耐性

薬物耐性の定義 薬物を短時間内に反復投与して耐性が生じる現象をタキフィラキシーと言う。エフェドリンなどの間接型交感神経興奮薬で見られる。

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【医学部勉強シリーズ】循環障害【病理学:第1回講義】

みなさんこんにちは!本日から病理学について複数の記事にまとめていきます!今回は初回ということで循環障害についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!

組織の画像については添付していないため、一部理解しにくい部分があるかもしれません。ご了承ください。

<目次>

はじめに

疾患は複数の項目から成り立つが、病理学では以下の項目について学ぶ。

  • 定義
  • 原因
  • 機序
  • 病理形態
  • 検査と臨床診断

充血とうっ血

充血(hyperemia)

定義:上動脈の拡張による末梢での局所的な血流量の増加。

原因・機序: 充血は能動的な過程で、小動脈の拡張によって流入する血液量が増加した状態である。動脈血の増加により赤く見える。運動時の筋肉、機能が亢進状態にある臓器、障害を受けた局所(組織の一部)、炎症の際に充血が見られる。酸素、化学伝達物質、白血球が増加する。

うっ血(congestion)

定義: 静脈還流が妨げられるために起こる血流の停滞。

原因・機序: 血液流出量が減少する。うっ血は受動的な過程であり、組織からの血液流出がうまくいかない結果生じる。組織は暗赤色で静脈の拡張が目立つ。うっ血が長時間続くと酸素不足になるため、組織の変性・壊死を起こすことがある。 心不全の場合、うっ血は全身性に生じる。静脈系の通過障害の場合、うっ血は局所的に生じる。

繰り返しになるが充血の場合は動脈が拡張し、うっ血の場合は静脈が拡張することに注意する。 うっ血の際に静脈が拡張する理由としては、静脈が何らかの理由で詰まることが考えられる。 充血とうっ血は基本的には1つの臓器で同時に起こる事は無い。 もし同時に起きた場合は病的である。ただしペニスなどの特殊な臓器では充血とうっ血が同時に起こる。

全身うっ血と臓器のうっ血

全身のうっ血心不全で起こり、肝臓や脾臓のうっ血性腫大をきたす。

肝臓うっ血:右心不全などで見られる。これは肝臓から右心系に血流が流れるが、右心室に異常をきたすことにより、その前の臓器である肝臓がうっ血する。基本的にポンプ機能を持つ心室が異常をきたすことでうっ血の原因となる。中心静脈がうっ血し、その周りの幹細胞が壊死する。さらにその周りの幹細胞が死亡編成を起こす。門脈脈周辺幹細胞が偽小葉を形成する。 ニクズス肝となる。

肺うっ血:左心不全などで見られる。肺から左心系に血液が流れるが、左心室に異常をきたすことにより、その前の臓器である肺がうっ血する。 基本的にポンプ機能を持つ心室が異常をきたすことでうっ血の原因となる。 血漿成分が肺胞内に漏出し、肺胞内浮腫を生じる。肺胞に漏れ出た赤血球のヘモジデリンを貪食したマクロファージが見られるようになる。

ニクズス肝の組織画像について

ニクズス肝画像について、では門脈や中心静脈など色が濃くなっている部分がうっ血している。

肺うっ血組織の画像について

肺うっ血画像では暗赤色のところがうっ血していることを理解する必要がある。

肺胞内空がピンク色になっていることがわかる。肺水腫の状態である。

長期の左心不全になると、赤血球が溜まりうっ血していることがわかる。またマクロファージが集まっている。マクロファージの特徴は小さな核と大きな細胞質である。赤血球などからタンパク質が漏れ出し肺浮腫の状態が見られる。つまり肺水腫の状態であると言える。

うっ血時の血漿成分の血管外脱出(浮腫)について

生理学で扱う内容であり今回は省略する。

虚血と梗塞

虚血(ischemia)

定義: 組織を支配する動脈の血流低下。

原因・機序: 細胞、組織の機能障害もしくは死(壊死)に至ることがある。 血液流入量は大幅に減少する。 これは充血の逆である。血液流出量に変化は無い。 虚血は臓器に血液を運搬する動脈に収縮や閉塞が生じた結果、組織に流入する動脈血液量が著名に減少し、流出量は不変の場合に生じる。長時間続くと組織壊死を起こす。 虚血性変化が梗塞を引き起こす。

梗塞(infraction)

定義: 局所の血流障害で起こる組織の壊死。

原因・機序: 動脈血の供給もしくは静脈血の流出が途絶えることによって生じる組織または臓器の限局性虚血性壊死である。 梗塞の多くは血栓症によって引き起こされる。梗塞の種類は出血性梗塞(赤色梗塞)と貧血性梗塞(白色梗塞)がある。

心筋梗塞の患者の心臓組織画像について

この患者は心筋が破裂して血液が心腔に漏れて、心タンポナーデでなくなった。左心室前壁と中隔に梗塞が見られる。心筋梗塞は基本的に貧血性梗塞である。

すべての細胞は核が見られないので、壊死している。 しかし好中球が集まっていない。つまり梗塞から時間が経っていないと言える。

一部の細胞には核が見られるため、これらの細胞は生きていると言える。 他の細胞では角が脱落しており細胞が壊死している。青色の小さなプツプツは好中球であり、平氏した細胞を排除するために集合している。この後にマクロファージが集まることが考えられる。

出血(hemorrhage)

定義: 赤血球が血管外に出ること。

原因・機序

破綻性出血について 血管壁に損傷が生じることにより起きる出血である。外傷や腫瘍、動脈瘤破裂等によって起きる。

漏出性出血について 血管壁に明らかな損傷はないが、血管基底膜や内膜が障害されることや、血管の透過性が亢進されることなどによって内皮細胞間をとって赤血球が滲み出る状態である。出血傾向を示す疾患、播種性血管内凝固症候群(DIC)等によって起きる。

視床出血の画像について

高血圧性の脳出血である。視床に血腫が見られる。 脳室にも血腫が見られる。脳室内穿破が起きている。

以下の内容は参考であるが、洞様毛細血管や類洞から血液が漏れる場合は出血とは言わない。 肝臓や脾臓に注意すること。

終末動脈(梗塞との関係性)

終末動脈とは

定義: 他の動脈との間に吻合やバイパスのない動脈である。(このため梗塞がはっきりと見える。)

原因・機序: 週末動脈が栄養する領域は他の動脈の支配を受けない、つまり二重支配がない。 心臓や中枢神経などで見られる。

以下の内容は参考であるが、動脈の二重支配を受ける代表的な臓器は肺である。 肺動脈と気管支動脈の二重支配を受けている。

エコノミークラス症候群について整理しておく。下肢に血栓ができ、これが右心に飛ぶことによって詰まる。その結果肺梗塞を生じる。そこに気管支動脈からの血液が来ることによって出血性梗塞が起きる。

梗塞の種類

出血性梗塞: 肺や腸などの二重に血液供給を受けている組織で見られる。このような臓器を管腔臓器と呼ぶ。壊死に陥った組織中に閉塞していない血管からの血液流入がある。

貧血性梗塞: 心臓や脾臓、腎臓などのような一系統の血管(終末動脈)に還流されている充実性臓器で見られる。壊死に陥った梗塞内に隣接する毛細血管から染み込む出血量が充実性臓器では少ない。

肺梗塞の組織画像について

肺につながる血管の入り口に血栓ができる。 入り口が詰まった後に、末梢血管に梗塞が広がる。その結果、梗塞される領域が三角形になる。

組織を見てみると、何も構造が見えないため肺梗塞で細胞が死んだことがわかる。

脳梗塞の組織画像について

脳は左右を比較することが重要である。一般に梗塞が起きた場合に、 好中球が詰まり、マクロファージが詰まり最終的に組織に穴が開く、という流れは共通であることに注意する。 脳の右側について、梗塞により組織が脱落して穴が開いていることがわかる。

好中球が集合していることがわかる。

最終的に組織に穴が開いていることがわかる。

マクロファージが集合していることがわかる。マクロファージの特徴は細胞質(胞体)が大きく、核が小さいことである。

血栓(症)と塞栓(症)

血栓血栓症(thrombus・thrombosis)

定義:生体の心臓を含む血管内で生じる血液凝固。

原因・機序血栓より血管の支配神経の組織の虚血や梗塞を起こすことがある。 決戦の種類は白色血栓と赤色血栓がある。白色血栓は血小板、フィブリン、白血球などからなる。赤色血栓は赤血球、フィブリンからなる。

心筋梗塞患者の心臓の動脈画像について

心臓には左前下降枝、左回旋枝、右冠動脈という3つの大きな動脈が存在する。

この患者の場合、左前下降枝には黄色の塊が見られる。これはアテロームとスクレローシスがあることにより動脈硬化が起きていることが考えられる。 一方で、黒い部分は無いため血栓はないと考えられる。左回旋枝と右冠動脈については黒っぽいものが見える。動脈硬化によって狭窄して、閉塞していると考えられる。 3つの動脈とも詰まっていると言える。

心臓血管断面をさらに細かく観察する。血栓の部分とアテロームの部分が観察される。 血管内が非対称になっていることに注意しておく。

心内膜炎の画像について

心臓の弁に血栓が付着している。

さらに細かく組織を観察すると、弁にフィブリン血栓があることがわかる。

血栓形成の条件(Virchowの三兆候)

血栓形成の条件は以下の3つである。

  • 血管の内膜表面の変化(内皮細胞の障害)
  • 血流の変化(停滞または乱れ)
  • 血液の組成の変化(血液凝固性亢進)

血小板の凝集や、血液凝固(フィブリン血栓の形成)などによって血栓ができる。

止血機構や、血液凝固機序、血液流動性維持機構については生理学の内容であるためここでは省略する。

播種性血管内凝固症候群(DIC)

血栓ができる例として、DICが挙げられる。DICの特徴は以下である。

  • フィブリン決戦が微小循環に広範囲に生じる。
  • 血栓が多発すると、血流中の血小板や凝固因子が急速に消耗する(消耗性凝固異常)。
  • 全身性の出血傾向が起こる。

びまん性の循環障害を起こし、脳、肺、心臓、腎臓などに重篤な臓器障害をきたす。多臓器不全となる。

腎臓糸球体のフィブリン血栓の画像について

腎臓糸球体の血管内に、エオジン染色でピンク色になっているって分がある。これがフィブリン血栓である。

門脈圧亢進症について

門脈型の高血圧で、肝硬変や他の門脈の閉塞を起こさせる状態に見られる。以下の特徴がある。

  • メデューサの顔(へその周囲に放射状に日静脈の怒張や蛇行がある)
  • 食道静脈瘤
  • 痔核

塞栓・塞栓症(embolus・emboli・embolism)

定義: 血液とともに流れてきた物質(塞栓)で血管が閉塞すること。

原因・機序: 虚血や脳梗塞を起こす。 例として 以下の3つが挙げられる。

  • 血栓に関係する肺血栓塞栓症: エコノミークラス症候群などがある。
  • 羊水に関係する羊水塞栓性: 出産での死因になり得る。
  • 腫瘍に関係する腫瘍塞栓:がんと関係している。

塞栓の種類として以下の3つがある。

  • 脂肪塞栓:骨折後に見られる。CPR (心肺蘇生)の結果として肋骨が骨折してしまい、その結果として 骨髄内の脂肪が血流に乗って運ばれることにより、解剖時に脂肪塞栓が見られることがある。
  • 骨髄塞栓: 骨折後に見られる。CPR (心肺蘇生)の結果として肋骨が骨折してしまい、その結果として解剖時に骨髄塞栓が見られることがある。
  • 空気塞栓: 血液濾過装置で血液に空気が入ることがある。中心静脈ラインの開放によって血管内に空気が流入することがある。これらが原因となって空気血栓を生じる。

血栓塞栓の組織画像について

大きな肺血栓と小さめの肺血栓が確認できる。

浮腫(edema)

定義: 細胞、細胞間組織における水の過剰な貯留。間質に水が溜まること。

原因・機序: 浮腫の原因はスターリングの法則で整理できる。 以下の3つに整理できる。

  • うっ血性心不全
  • 低蛋白血症
  • リンパ管通過障害、ナトリウム貯留、炎症など

ショック(shock)

定義: 生命維持に必要な所臓器の体還流状態。

原因・機序: 有効循環血液量の低下により起こり、原因により以下のように分類される。ショックの種類は5つある。

  • 心原性: 心臓のポンプ機能低下
  • 血液減少性:出血
  • 神経原性:血管迷走神経反射
  • アナフィラキシー:1型アレルギー
  • 細菌性:グラム陰性桿菌による敗血症とエンドトキシン

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【医学部勉強シリーズ】薬物動態と治療の個別化【薬理学:総論第6回】

みなさんこんにちは!今回は薬物動態と治療の個別化についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!

<目次>

非線形薬物動態を取る薬の投与量の調節

非線形薬物動態を取る薬物は語尾が「〜ン」で終わるものが多い。

線形動態と非線形動態を取る薬物について復習する。線形動態の薬物の場合、一定の割合、つまり指数関数的に薬剤が減少する。対数グラフにすると線形になる。一方で非線形動態薬物の場合は、一定時間で一定量の薬剤が減少する。つまり対数グラフにする前にすでに線形である。

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【医学部勉強シリーズ】容量反応性【薬理学:総論第5回】

みなさんこんにちは!今回は容量反応性についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!

<目次>

薬と受容体の相互作用:用量反応関係

EC50は全体反応の50%の反応起こす薬物濃度のことである。ED50は最大反応の50%の反応を起こす薬の容量のことである。LD50は致死作用の50%の反応を起こす薬の容量のことである。LD50とED50の比で薬が安全かどうかをチェックすることがある。

アゴニストは同程度の反応起こすのに必要な受容体の選挙率が異なる場合がある。また予備受容体、余剰受容体分画という考え方がアゴニストに存在することを理解しておく。

アゴニスト(作動薬)、パーシャルアゴニスト(部分作動薬)、アンタゴニスト(拮抗薬)、インバースアゴニスト(ネガティブアンタゴニスト、リバースアゴニスト、逆作動薬)については図で関係性を押さえておくと良い。

アゴニスト(作動薬)は新品の鍵のようなものである。パーシャルアゴニスト(部分アゴニスト)については古い鍵のようなものである。アンタゴニスト(拮抗薬)についてはガムのようなものである。アンタゴニストには競合的アンタゴニストと非競合的アンタゴニストが存在する。競合的アンタゴニストは同じ鍵穴に対して作用するが、非競合的アンタゴニストについては異なる鍵穴に作用する。 インバースアゴニストについては鍵のようなものが作用せずともその後の形の活性化をオフにできるものである。RAA型の活性化のしすぎを抑えたりすることに使われる。

ポテンシーとエフィカシーについては明確に区別しておく必要がある。ポテンシーはEC 50に反映される。つまり、次は受容体結合部位への親和性に関係している。酵素反応のKmと近い考え方である。

エフィカシーについては最大反応の大きさとして表される。酵素反応のVmaxと近い考え方である。

Model Building

エフィカシーとAffinityを混合しないことが重要である。 アフィニティー(親和性)はポテンシーと似たような考え方である。

構造活性相関

化学構造のわずかな変化が薬理学的活性の大きな変化につながることがある。

情報伝達型

受容体が作用してから効果が発揮されるまでの過程を理解することが重要である。詳細については薬理学の各論で取り扱う。

ヒトにおける用量反応関係

用量反応曲線によって判断できる、EC50やED50については、ポテンシーについてもエフィカシーについても各個人によって差が生まれる。

薬の毒性

薬を投与すると求めている効果を得ることができるが、必要量以上を投与すると毒性が発生することがある。このため投与量を調節することが重要である。

治療係数について整理する。治療係数はLD50とED50の比で表される。毒性が軽度の場合はこの治療係数で判断することが妥当である。一方で致死的毒性の場合は、99%の対象に有効作用を表す量(ED99)と、1%の対象が致死する量(LD1)の比をとった値の方がより良く評価できる。

用量反応曲線において、薬の効きと毒性が平行移動の形を取るグラフパターンが存在する。一方でグラフの形状が平行でない場合も存在する。この場合は治療係数以外の指標が必要である。つまり、グラフが平行でない場合は治療効果が出る側からすぐに毒性も現れると言うことである。

アトロピンはムスカリン受容体の競合的阻害薬であり副交感神経の働きを止める。アトロポスと呼ばれる女神はアトロピンを摂取することにより瞳孔を散大させて目を大きく見せていたと言われている。

薬の命名

一般名は同系統の薬では語尾が似ているので覚えやすくなっている。

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【医学部勉強シリーズ】薬物受容体と薬力学【薬理学:総論第4回】

みなさんこんにちは!今回は薬物受容体と薬力学についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!

<目次>

薬の受容体

受容体の分類には以下の4つがある。 また3番目の分類にはさらに3つの細かい種類が存在することに注意する。

  1. 細胞膜受容体
  2. 核内受容体
  3. 薬と相互作用することにより機能が変化する高分子:酵素、輸送体系 (ナトリウムカリウムATPase、イオンチャネル)、核酸の3種類が存在する。
  4. 同定されていない受容体

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【医学部勉強シリーズ】薬の作用機序【薬理学:総論第3回】

みなさんこんにちは!今回は薬の作用機序についてまとめました。医学部の講義の雰囲気を感じていただければ幸いです!

<目次>

はじめに

PD (薬力学)では薬が生体にどう影響与えるかを研究する。つまり薬が作用部位においてどんな作用機序でどのような作用を生体に及ぼすかを扱う。総論第2回で扱った薬物動態学では4つの式を用いて生体が薬にどう影響与えるかについて考えてきた。薬物動態学と薬力学では薬と生体のどちらが作用を与えるかが異なるので注意すること。

薬力学の学習目標

  • 薬の多様な作用点を理解するために、大部分の薬の標的となる「受容体」に焦点を当てて理解を深める。
  • 受容体理論を理解する。受容体の占拠の度合いと作用は必ずしも比例関係ではないことを理解する。同じ受容体に異なるアゴニストが作用すると効力が違うことを理解する。
  • アゴニスト、パーシャルアゴニスト、アンタゴニスト、インバースアゴニスト(ネガティブアゴニスト)を理解する。
  • ヒトの生体内(インビボ)での薬の用量反応と試験管内(インビトロ)での薬の容量反応を比較する。患者群での係数的な薬の容量反応とも比較する。
  • 治療効果と毒性発現を記述する曲線を理解し、治療係数を同定する。

薬力学の学習項目 学習項目は以下の9項目である。

  1. 薬の作用点
  2. 薬の受容体
  3. 薬と受容体の相互作用(容量反応関係)
  4. Model Building
  5. 構造活性相関
  6. 情報伝達型
  7. ヒトにおける用量反応関係
  8. 薬の毒性
  9. 薬の命名

薬の作用点

以下のように分類されている。

細胞外

  • 物理化学的作用
  • 化学的作用
  • 酵素作用

細胞内または細胞表面上

  • 非特異的な細胞膜との作用
  • 特異的な受容体に作用(受容体に作用、酵素に作用、イオンチャネルに作用)

上記のうち、特異的な受容体に作用するパターンが最も重要である。 またその中でも受容体に作用するパターンが最も重要である。

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