医学部再受験・学士編入blog by シマ(東工大卒脱サラ医大生)

東工大卒脱サラ医大生が日々の勉強、生活に役立つtipsを書いています!医学部再受験と医学部学士編入関連記事も執筆しています。

社会人3年目が退職を通して感じたこと

新卒から勤めた会社を社会人3年目のタイミングで退職することになりましたので、意思決定をする際に考えたことを共有したいと思います。就職や転職、キャリア設計などで悩んでいる人の参考になれば幸いです。

会社を辞める一番の理由は、他にやりたいことが見つかったということです。仕事の内容や待遇、社会的意義やキャリア形成など様々な側面から考えて本当に取り組みたい仕事を見つけたのでチャレンジすることにしました。

その一方で、会社を退職する際には様々な感情を抱きました。次の道を見つけられてよかったという思いだけではなく、会社員としてのキャリアの良い点や、レールを外れることに対する恐怖など多くのことを考えました。私が退職の意思決定をする過程で検討した会社員をやめて専門職を目指すことの良い面・リスクや、会社員として出世を目指すことのメリット・デメリットについてまとめます。

会社をやめて大学を再受験、専門職を目指す

私は会社を退職して転職ではなく大学で学び直すという選択をしました。医療系の専門職に就きたかったために、資格取得ができる大学に再入学した形になります。

前職での仕事にもやりがいがありましたが、ニッチな業務であり転職をする際に前の職場で身につけた能力を引き継ぐことが難しい業務内容でした。いわゆる営業やマーケティング経理や人事などどこの会社にもある職種ではなく、企画職のような会社によって業務内容が大きく異なる仕事をしていました。

キャリアを変える際に大学への入学ではなく転職をすることも検討しました。最終的に転職を選択しなかった理由としては、時間がかかっても確実に専門的な能力を身につけたいと考えたためです。後ほどもう一度触れますが、一般的な会社員であるとどうしても業務内容が変わってしまい専門的な能力が伸ばせない可能性があります。そのようなリスクを払拭するために資格職を目指す選択をしました。

私は専門職を目指すという意思決定をしましたが、全員が専門職を目指す必要はないと考えています。一方で、今の日本には様々な分野で専門家が不足しているとも感じます。昨今では終身雇用を維持するのが難しいといったことも言われるようになり一昔前とは状況が大きく変化しています。以前であればジェネラリストとして一つの会社で定年まで勤める人が大多数でしたが、企業の寿命が短くなり転職せざるおえない社会になれば自然と他社でも技能を発揮できる人材が求めらるようになります。転職せざるおえない状況になった際、管理職経験のない平社員のジェネラリストが他社で力を発揮することはできるでしょうか。私たちは終身雇用の時代から、企業寿命が短くなる時代への転換期に置かれているため、ジェネラリストを目指すかスペシャリストを目指すかの判断を強いられているのではないでしょうか。

会社を辞めるのは勇気がいる

退職を決断する際には、今の会社で得られることや会社を辞めることで得られること、辞めた際のリスクなどを総合的に検討しました。現在わかる範囲で合理的に判断した結果、退職して新しい道に進んだ方が良いという結論に至りましたが、それでも感情的には不安がありました。なんとなく理由はないけれどレールを外れる感じがする、というような非合理的な考え方なのですが人と違うことをするのはエネルギーがいるのだなと改めて実感しました。

これから多くの人と違う選択をしてみようという人もいると思いますが、ストレスを感じるのは当たり前という前提で自分の感情を保つ工夫をすることも大切です。仲の良い友人に相談したり、リラックスできる時間を作るなど心身のコンディションを整える工夫も取り入れてみることをオススメします。キャリアを変えるということは環境が大きく変わるうえに、新天地でも努力を継続していく必要があります。転職や退職をして終わりではなくその後を充実させるためにも身体と心のコンディションを整えることは重要であると考えます。

企業でジェネラリストとして出世を目指す道

伝統的なキャリアとして、大学で4年間学んで企業に就職し総合職社員として出世を目指す道があると思います。現在でもほとんどの一般的な企業が新卒で一括採用をして様々な部門をローテーションさせて経験を積ませ、管理職を育てるというルートを用意しているのではないでしょうか。このような道にも魅力はあると思います。学部卒ですぐに就職して入社し、出世コースに乗れば若いうちから経済的に豊かになれる可能性が高いです。見方によってはコスパが良いとも言えるでしょう。それにジェネラリストも企業では求められています。その会社で上のポジションにつくには、会社の様々な部門の事情を知っておく必要もあるはずです。管理職まで出世をできればその経験が評価されて、転職も選択肢に入るかもしれません。ジェネラリストを目指したが職位が上がらないというリスクを許容すれば魅力的なキャリアであると言えます。

今の日本企業ではスペシャリストは育たないかもしれない

企業での伝統的なキャリアには良い面もありますが、リスクもあります。個人的にはこのリスクを強く感じました。なんとなく違和感を感じている人は多いはずですが、企業での伝統的キャリアのリスクを口に出す人は少ないかもしれません。

今の日本企業にはスペシャリストを目指して専門的な能力を伸ばしていく道がないことが多いです。出身学部不問で新卒就活をしているということは、「専門的な能力は不要であり会社のカラーに染まったジェネラリストになってほしい」という企業からのメッセージなのではないでしょうか。出世して管理職になれれば、他社でも活躍できるような汎用的な能力が身につくという面で先が開けます。しかし出世は業績だけではなく人間関係も大きく影響しますので運の占める要素が大きいです。私は伝統的な日本企業で他社でも通用する能力を身につけられるかどうかは運任せの部分が大きすぎると感じました。

理系でスペシャリストを目指したい、専門性をさらに尖らせたいと思った場合、大学の研究室に戻るキャリアがあります。私が卒業した大学でも企業勤務の経験がある大学教授が複数人いましたし、会社の同期も私の退職とほぼ同じタイミングで研究室に戻っていきました。

文系で経理や法務、経営のスペシャリストを目指したい場合にスタートアップに転職する事例もここ数年でかなり増えてきた印象です。新卒就活での大人気企業である総合商社であっても、一部の若手はスタートアップに転職して自身の専門性を伸ばしているようです。

終わりに

最後にここまでの話をまとめます。専門職を目指すことの良い面・リスクや、会社員として出世を目指すことのメリット・デメリットについて検討しました。世の中には「1社で勤め上げるのが美徳である」とか「新卒で入った会社は3年は続けるべき」とか「大企業は時代遅れで外資系やスタートアップの方が良い」などの偏った意見が多くあります。個人的に思うのは、どんなキャリアが良いのかはその人の価値観や置かれた状況によるので絶対的な正解はないということです。誰かの定義した価値観に合わせることよりも、自分で自分の置かれた状況や価値観を見つめ直して行動すること、また変化を起こして環境を変えるなら環境を変えた後も努力を継続していくことが何より大切であると思います。たとえ人と違う選択をしても、その選択の先でコツコツと努力を継続していけばその選択を良いものにできるのではないでしょうか。選択が成功するかどうかは、選択したあとの努力にかかっていると思います。私自身も自分の選択を正しかったと言えるようにこれから頑張っていきたいと思います。

これからのキャリア設計について考えている人や、これから新しい環境に飛び込みたい人、新しい環境でチャレンジしている人の参考になれば幸いです!