医学部再受験・学士編入blog by シマ(東工大卒脱サラ医大生)

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医学部学士編入と医学部再受験、どちらを選択すべきか どちらも経験した脱サラ医大生の意見

大学を卒業してからもう一度医学部に入り直したい場合に医学部学士編入試験を受けるか医学部再受験をすべきかについて考えてみたいと思います。私自身脱サラをして医学部に入り直しましたが、どのような試験を受けるのが良いのかについては悩みました。非生物系の理系学士卒で生物の知識はない、かといって大学受験の内容も忘れてしまったという中途半端な状態でした。最終的には学士編入と再受験に両方チャレンジをして、再受験で医学部に入りました。個人的な経験と、周りにいた医学部を目指す大学卒業者の情報をもとに「学士編入試験を受けた方が良い人」「再受験をオススメしない人」「学士編入と再受験に両方チャレンジすべき人」の3タイプについて検討してみたいと思います。医学部に入り直したい人の参考になれば幸いです。

学士編入試験を受けた方が良い人

まず学士編入試験を受けた方が良い人について整理します。

獣医学部看護学部、薬学部などの生物系の専攻であった理系の方は学士編入試験の方が相性が良いと思います。これらの専攻の方は生命科学の知識の基礎が備わっており、学士編入試験の勉強にアドバンテージがあります。また医学に関連する研究や仕事の経験もあるため面接試験でのアピールもしやすいです。英語の対策を適切に行えば合格圏内に入ることができる可能性が高いです。

博士号を取得している方も学士編入試験での合格がとりやすいと思います。博士号取得者の場合は専攻していた分野に関係なく有利になると考えています。学士編入では医学研究者を求めている大学が数多くありますので、そのような大学では評価が高まるはずです。なにより博士号取得者の数は非常に少ないですのでその強みを生かせる学士編入試験を受けるべきであると個人的には考えます。博士号取得者の方は非常に優秀な方が多く、なおかつ科学全般に対する素養がありますので、生命科学や化学、物理、数学について他の受験生よりも早く合格レベルに達すると思います。また英語での論文執筆経験もあるはずですので英語試験に関しても適正があるはずです。

帰国子女の方も学士編入の適正が高いと考えています。学士編入試験では、生命科学と英語の2科目で受験できる大学もあります。つまり生命科学さえきちんと準備することができれば合格に大きく近づきます。学士編入に対する英語の重要度はかなり高いため英語の勉強が不要であるのは大きなアドバンテージであるといえます。また国際性を重要視する大学もありますので、大学との相性によっては面接試験も有利に進めることができます。

再受験をオススメしない人

次に再受験をオススメしない人について整理します。前提として再受験は学士編入と比較して平等な試験です。面接の割合が低く筆記試験で合格点を出せばまず間違いなく合格します。一部には高齢の受験生を差別する大学もありますがそれらの大学を避ければ誰でも挑戦しやすい受験形式であると言えます。

数学が大嫌いで数学アレルギーをおこしてしまう方には再受験をオススメしません。再受験で合格のカギを握るのは数学であるといえます。理科や英語、国語、社会などの教科は時間をかければ身につきますが、数学に関してはどうしても肌に合わない人が一定数存在します。もちろん数学が苦手でも問題と向き合うことができればある程度までは成長しますので問題ないですが、数学アレルギーを起こしてしまってどうしても解けるようになる気がしないという人は学士編入試験をおすすめします。学士編入試験に挑戦したほうが短時間で合格できる可能性が高いです。

1回目の大学受験で英語、数学、理科2科目、国語、社会で受験をしていない、なおかつ仕事や大学などで勉強時間を捻出できない方には再受験はオススメしません。再受験を一から準備するにはそれなりの時間がかかります。1回目の大学受験で文系であった方や推薦入試であった方は仕事や大学などを中断して勉強に専念をしないと再受験での合格は難しいかと思います。学士編入試験の場合は再受験よりも勉強量は少なくて済みますので仕事や大学を中断することが難しい場合は学士編入試験をオススメします。一方で1回目の大学入試で理系であった方は基礎力があると思いますので仕事や大学と両立して再受験に挑戦しても十分に合格の可能性があります。

学士編入と再受験に両方チャレンジすべき人、またその時の注意点

次に学士編入と再受験に両方チャレンジすべき人と、両方チャレンジする際の注意点をまとめます。

非生物系の理系学士・修士の方と文系の方は学士編入と再受験の両方にチャレンジすべきであると考えます。順番としてはまず学士編入試験を先にチャレンジするのがおすすめです。生命科学の英語の2科目を勉強して編入試験を受けます。きちんと勉強し何校か受験をすれば一次試験を突破できる可能性は高いです。一方で二次試験の面接は難関です。面接は相性や個人差が非常に大きいため受験してみて初めて自分の立ち位置が分かります。良い経験を持っていたりその地域と縁があったりしてすぐに合格できる場合と、面接試験がなかなかうまくいかずに採点の不透明感を感じる場合に分かれるはずです。二次試験の面接がどうしても突破できないなど学士編入が向いていないと判断した場合には数学と化学、それに国語と社会の勉強をプラスして再受験に切り替えることをおすすめします。学士編入用に生物と英語を勉強していればその2科目に関して再受験の合格レベルには達しているはずです。

私の場合は春から夏の間に医学部受験を決意し、夏から生命科学の勉強を始めました。その後、秋から冬にかけて3校学士編入試験を受けて2校は二次試験の面接まで辿り着きました。しかし結果は不合格であったため次の年の春に再受験をして医学部合格に至りました。もし再受験で不合格であれば、また春から1年間学士編入試験にチャレンジするつもりでした。

このように学士編入を完全に諦めてから再受験に切り替えるのではなく、学士編入の準備からはじめて、次に再受験の勉強に移行して両方の試験を継続して受けるという戦略もおすすめです。片方に絞って受験をする方もいますが自分の適正がどちらなのかは案外受けてみないと分からないものです。私自身も学士編入の際の自分の面接の力を過大評価していましたし、再受験の際の筆記試験の能力を過小評価していました。このようなこともあるので非生物系の学士・修士と文系の方には学士編入と再受験、両方の試験を受けることも検討していただきたいと思います。

最後に

それでは最後に要点をまとめます。「学士編入試験を受けた方が良い人」「再受験をオススメしない人」「学士編入と再受験に両方チャレンジすべき人」の3タイプについて検討してきました。獣医学部看護学部、薬学部などの生物系の専攻であった理系の方、博士号保持者の方、帰国子女の方には学士編入試験をオススメします。数学が心の底から嫌いでなおかつ受験勉強の時間を十分に確保できない会社員や大学生の方には再受験はオススメしません。これらに当てはまらない非生物系の理系学士・修士の方と文系の方には学士編入試験と再受験の両方にチャレンジしてみることをオススメします。その際には学士編入試験からはじめて余裕あれば再受験も受ける、という順番で取り組むとやりやすいかと思います。

これから医学部に入り直したい人の参考になれば幸いです。